2022 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of gangliosides deficiency on repair process of physeal injury in growth plate injury
Project/Area Number |
18K16605
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 正剛 北海道大学, 大学病院, 助教 (70816066)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 成長板軟骨損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
グライコブロッティング法により成長板軟骨細胞に発現するガングリオシドシリーズを網羅的に解析したところ、GD3合成酵素で合成される糖脂質の一群であるb-seriesの発現が主となっていることが明らかとなったため、GD3合成酵素ノックアウトマウスを用いた研究を開始した。我々が独自に作製したマウス脛骨近位成長板軟骨損傷モデルを野生型マウス、ノックアウトマウスに適用し表現型を調査した。術後3週においては成長板軟骨損傷を作製した脛骨長の短縮率は野生型マウスとノックアウトマウスでは同程度であったが、マイクロCTでの解析により損傷部の骨橋形成が阻害されていたことが明らかとなった。術後5週において、ノックアウトマウスで脛骨長軸方向の成長障害が野生型マウスと比較して、抑制される結果を呈した。マイクロCTでの解析結果では、成長板高については野生型とノックアウトマウスでは同程度であったが、ノックアウトマウスでは、骨橋形成に伴い抑制される成長板高が保たれており、損傷を受けた成長板軟骨細胞の生存活性に寄与していることが明らかとなった。また、二次海綿骨における骨密度を測定したところ、術後3週では野生型でノックアウトと比較して低下するのに対し、術後5週では同程度であった。 本研究結果は、GD3合成酵素ノックアウトマウスにおいては、成長が促進される3-6週齢の期間に骨橋形成を阻害することで、成熟時の8週齢で成長障害が抑制されることを示した。骨端線損傷後の治癒過程においてガングリオシドシリーズは治療標的となりうると考えられた。
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