2019 Fiscal Year Annual Research Report
ACUTE INFLAMMATORY RESPONSE IS PREREQUISITE TO INITIATE PROPER HEALING PROCESS DURING MENISCAL REGENERATION IN MICE.
Project/Area Number |
18K16610
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
日山 鐘浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (90815789)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 半月板 / 再生 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス半月板切除後の再生過程を組織学的に観察したところ、切除後3日目に、切除部位近傍の滑膜組織へのマクロファージの浸潤、2週後に切除領域近傍の滑膜組織の増生と切除領域への線維芽細胞の浸潤、軟組織の形成が観察された。この軟組織は、切除後4週以降に軟骨への分化が一部観察され、完全ではないものの、6週で正常半月板に類似した形態を有する組織へと成熟することを明らかとした。本研究の主な目的は、半月板切除部位近傍の滑膜における炎症反応が、その後の一連の再生プロセスにおいてどの様な生物学的意義を有するかを検討すること、およびその過程における滑膜マクロファージの役割を明らかとすることである。そこで、半月板再生過程における抗炎症剤(ケナコルト)またはクロドロン酸内包リポソームの影響を組織学的に解析した。 急性期にケナコルトを注射した群においては、その後の切除部位への線維芽細胞の浸潤が非常に強く抑制された。細胞浸潤期にケナコルトを注射した群においては、細胞浸潤ならびに6週で観察される軟骨分化の双方が強く抑制された。滑膜細胞のOutgrowthの評価(ex vivo)では、急性期に投与した群では、滑膜組織からDishへの細胞浸潤がほぼ完全に消失したのに対し、細胞浸潤期群においては、浸潤抑制効果は限定的であった。半月板切除直前にクロドロン酸内包リポソームを関節内投与し、滑膜マクロファージを枯渇させたモデルを作成しその再生過程を解析したところ、コントロールに比して顕著な再生過程の遅延は観察されなかった。 以上の結果は、半月板切除後の炎症反応がその後の再生のプロセスを活性化するために必須であることを示唆しているが、そのプロセスにおける滑膜マクロファージの生理機能に関しては依然不明である。
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