Outline of Annual Research Achievements |
申請者は頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)において,CTを用いた骨化巣の3次元画像解析法を用い,これまでX線や単純CTなどの2次元画像法では困難であった骨化巣の体積変化を計測し,骨化巣増加危険因子の解析を行っている.本研究の目的は従来の年齢・発生部位・可動性・肥満度などに加え,一般血液検査に加えて,25OHビタミンD,副甲状腺ホルモン,リン調節ホルモンFGF-23,骨形成マーカーの1型プロコラーゲンNプロペプチド,骨吸収マーカーの骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ,並びに骨形成マーカーや骨形成抑制蛋白である血清sclerostin,Dickkpopf-1などの骨代謝バイオマーカーとの関連も検討することである. 2018年度は,新潟大学整形外科に通院する51例の血液検査と骨化巣3次元解析を行い,結果を中間報告として2018年11月24日に行われた,厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)【脊柱靭帯骨化症に関する調査研究】平成30年度第2回合同班会議にて報告した. 2019年度は,51例の解析において骨化症と骨代謝動態との関連項目が示唆されたことより,新潟大学並びに,関連施設において追加の調査を進めた.新潟大学で新規で29例,魚沼基幹病院で42例,新潟中央病院で13例の血液検査・画像検査を行った. 2020年度は,血液検査の外部検査機関への解析依頼を完了させ,全症例分の血液検査の結果を確認できた.画像解析は残っている84例中,76例分の解析が終了した. 2021年度は,中間報告の44例の結果をまとめた日本語論文を,日本脊椎脊髄病学会雑誌に投稿し受理された(第49回日本脊椎脊髄病学会優秀論文).最終的に全117例の画像解析が完了し,すでに得られている血液検査結果との解析を終了させ,英語論文を作成し投稿中である.
|