2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16613
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 紘士 富山大学, 附属病院, 医員 (50816022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / c-Fos / 疼痛 / 黄色靭帯肥厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
12週令のprague-Dawleyラットの尾椎椎間板を穿刺した椎間板変性モデルを作製し、このラットに選択的c-Fos/AP-1阻害薬(T-5224)あるいは偽薬をゾンデで経口投与し、椎間板変性に対する治療効果を評価した。画像的な評価としては、偽薬群と比較し、治療群で穿刺後8週時点におけるX線での椎間板高、MRIでのT2信号強度、HE染色切片での組織学的スコアがいずれも有意に優れていることが分かった。また、疼痛行動解析として、同様の椎間板穿刺ラットに対し、プロジェクターランプの輻射熱に対する掉尾反射の潜時を測定する手法であるTail-flick testを施行した。結果としては、偽薬群と比較し、治療群では、穿刺後8週における潜時が有意に延長していることを確認した。すなわち選択的c-Fos/AP-1阻害薬が疼痛に対して抑制的に作用することが分かった。また穿刺椎間板を支配する後根神経節の高位を同定するために、FGを用いた逆行性神経回路標識を行った。そして穿刺椎間板を支配する高位の後根神経節において、c-Fosの下流に位置する因子であるPdynの遺伝子発現が治療群で有意に抑制されていることを確認した。そして、現在、手術時に採取したヒト黄色靭帯より、細胞を単離後、単層培養し、in vitroにおける遺伝子発現の変化を解析している。特に黄色靭帯肥厚過程において重要な役割を果たすとされているTGF-bで刺激を加え、それによりI型コラーゲン、III型コラーゲン等の遺伝子発現がいかに変化し、それらの変化が選択的c-Fos/AP-1阻害薬で抑制されるかを明らかにしていく。また、同様の組織サンプルを用いて、肥厚した黄色靭帯における組織学的特徴を検討すべく、標本数を増やしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術時に採取した黄色靭帯からの細胞単離、単層培養の系の確立に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
単層培養した黄色靭帯細胞に対して、TGF-b、AGE-BSAといった因子による刺激を加え、RAGE, c-Fos, miR-21, I型コラーゲン、III型コラーゲンといった遺伝子の発現の変化を解析する。そこに選択的c-Fos/AP-1阻害薬(T-5224)を添加し、それらの遺伝子発現がいかに変化するかを明らかにしていく。また同時に、手術時に、黄色靭帯の付着部を含めて一塊に採取し、靭帯付着部を含めて、肥厚黄色靭帯の組織学的特徴を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度に更なる実験の継続、および研究内容の発表のために必要となった。 (使用計画) 研究費の使用内訳は、①組織学的評価、PCR、免疫組織化学に必要な試薬の購入、②研究成果の発表に必要な経費である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Lumbar spine surgery in patients with rheumatoid arthritis (RA): what affects the outcomes2018
Author(s)
Seki S, Hirano N, Matsushita I, Kawaguchi Y, Nakano M, Yasuda T, Motomura H, Suzuki K, Yahara Y, Watanabe K, Makino H, Kimura T
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Journal Title
The Spine Journal
Volume: 18
Pages: 99~106
DOI
Peer Reviewed
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