2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular-targeted therapies for degenerative spondylosis and pain
Project/Area Number |
18K16613
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 紘士 富山大学, 附属病院, 医員 (50816022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | c-Fos / 椎間板変性 / 疼痛 / 黄色靭帯肥厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、変形性脊椎症の中核をなす椎間板変性、黄色靭帯肥厚、関連する疼痛といった病態に共通する分子を制御することにより、臨床応用できる治療法の開発を目指してきた。まずラット尾椎椎間板穿刺モデルや器官培養したマウス椎間板モデルを用い、XpやMRIを用いた画像的評価、組織学的評価、遺伝子発現、疼痛行動解析を行うことで、椎間板変性ならびに関連する疼痛に対する選択的c-Fos/AP-1阻害薬の効果を示した。 同時に選択的c-Fos/AP-1阻害の黄色靭帯肥厚に対する効果を検討するため、手術時に採取したヒト黄色靭帯より、細胞を単離後、単層培養し、in vitroにおける遺伝子発現の変化を解析した。黄色靭帯肥厚過程において重要な役割を果たすとされているTGF-b刺激(10ng/mL)後24時間において、線維化関連遺伝子であるCOL1A2, COL3A1, MMP-2そしてc-Fosの遺伝子発現は有意に上昇していた。これに選択的c-Fos/AP-1阻害薬を加え、これの発現が抑制されるかを検討したが、線維化関連因子の遺伝子発現に有意な変化を認めなかった。過去の報告では、皮膚線維芽細胞において、選択的c-Fos/AP-1阻害薬の線維化関連因子の抑制効果が示されていることから、細胞種や条件に関しては更に検討することが必要と思われた。 また、腰部脊柱管狭窄症に対して後方除圧を行い、切除した黄色靭帯とその付着部を組織学的に解析し、術前のCT画像と比較検討した。術前CTでは肥厚した黄色靭帯付着部から骨化が進展するような例も存在し、組織学的には付着部付近で軟骨化生や骨化している領域を認めた。これらのことから、過去にも報告された通り、黄色靭帯肥厚には、靭帯付着部の変化が起こっていると考えられた。
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Research Products
(7 results)