2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of pain induced by rotator cuff tear and examination of treatment for pain
Project/Area Number |
18K16633
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
見目 智紀 北里大学, 医学部, 講師 (00533324)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腱板断裂 / 疼痛 / 神経成長因子 / 炎症性サイトカイン / 神経ペプチド / 反復性肩関節脱臼 |
Outline of Annual Research Achievements |
腱板断裂の疼痛の慢性化の発生機序について研究を行なった。動物実験としてラット腱板断裂モデルの肩関節において、神経ペプチドの1つであるApelinが有意に上昇しており、この上昇にはTNF-αの刺激が関与している事がわかった。腱板断裂に対する鏡視下腱板縫合術時に肩峰下と腱板疎部から滑膜組織を採取し、PCR法を用いて炎症性サイトカインとCOX-2について検討。コントロールとして疼痛の少ない反復性肩関節脱臼患者の滑膜組織を使用した。コントロールと比べ有意に上昇していたものとしてNGF認められた。Westernblot法を用いてもNGFは脱臼群より有意に上昇していた。こちらはこれまでラット腱板断裂モデルでNGFが持続的に上昇していた事と一致する結果と考えられる(現在論文revise中)。そのため、NGFは腱板断裂による疼痛の慢性化に関与している可能性が高いと考えられた。また、ヒト肩峰下滑液包においてもApelinは有意に上昇しており、こちらも動物実験の結果と一致する(現在論文投稿中)。そのためそのため、腱板断裂の疼痛コントロールに対してNGFやApelinなどの神経ペプチドは治療のターゲットとなりうるものと考えられた。一方、COX-2はコントロールと腱板断裂の間に有意差がなく、TNF-α,IL-1β, β-FGF,VEGFは脱臼群の腱板疎部滑膜の方が有意に上昇していた(現在論文投稿中)。反復性肩関節脱臼と腱板断裂においてCOX-2の発現が同等であることから、腱板断裂の痛みに対してNSAIDsの有用性が低いことの理由のひとつが示唆された。Apelinの制御因子としてTNF-αを考えていたが、腱板断裂と反復性肩関節脱臼の比較からTNF-α以外の制御因子の経路も検討しなければならないと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Increased nerve growth factor expression in the synovial tissues of patients with rotator cuff tears2021
Author(s)
Ryo Tazawa, Tomonori Kenmoku, Kentaro Uchida, Lars Arendt-Nielsen, Naoshige Nagura, Mitsufumi Nakawaki, Toshihide Matsumoto, Gen Inoue, Hiroto Takeuchi, Takenori Jimbo, Toshiyuki Nakazawa, Michinari Fukuda, Masashi Takaso
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Journal Title
Molecular Pain
Volume: -
Pages: in press
Peer Reviewed / Open Access
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