2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of myofascial pain using microperfusion
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18K16643
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野田 祥人 東北大学, 大学病院, 助教 (80810580)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋・筋膜痛症候群 / トリガ―ポイント / 微小還流 / メタボローム / 尿酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋・筋膜痛症候群(myofascial pain syndrome : MPS)は、様々な疼痛症状が慢性的に出現する慢性疼痛疾患である。いわゆる肩こりや腰痛も、MPSに関連した症状であることも多く、その発生頻度は高いが、病態は未だ不明な点が多く、有効な治療法は確立されていない。本研究は、筋・筋膜痛において、局所の代謝サイクルの変化が、痛みの原因とされる組織の酸性環境の構築へどのように影響しているのかを明らかにするものである。 本研究では、健常成人およびMPS患者を対象に、未承認機器である微小還流という技術を用いて行うため、特定臨床研究に該当する。倫理申請を行っており、倫理委員会の承認をまちつつ、動物を用いた予備実験を進めている。 マウスを用いた予備実験の結果では、過剰な収縮により痛みの生じた筋肉では、核酸代謝が亢進し、代謝産物である尿酸やキサンチンの上昇を確認している。一方で、痛みに関連するとされているATPは減少していることが分かった。ATPはエネルギー代謝に大きくかかわる物質でもあるため、過剰な筋収縮によって消費され、減少したものと推察された。これまで、筋肉痛の原因の一つとして報告されていたATPの減少傾向が確認され、間接的にではあるが、疼痛物質の発現量だけではなく、それ以外の因子が痛みの発現に関与している可能性が考えられた。尿酸の増加による環境の酸性化は、その因子の一つである可能性が高いと考えられた。また、微小還流により回収した還流液中の乳酸や尿酸濃度が、筋収縮の加わった筋において上昇していことが分かった。
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