2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16650
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高山 義裕 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (20596994)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腰痛 / 肥満細胞 / MCT / 筋再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会の中で、腰痛による運動器障害が歩行困難となる要介護者の増加と関連している。腰痛の原因として報告される筋肉脂肪変性について、我々は腰痛患者のMRIにより筋肉脂肪変性の評価を行ってきた。筋再生過程において初期には肥満細胞の集中が報告されており、関与が示唆される。過去に報告されるように我々も肥満細胞由来トリプターゼ(MCT)の刺激によりマウス筋芽細胞が増殖することを確認した。 本研究の目的は、1)筋肉の脂肪変性における肥満細胞の脱顆粒によって放出されるトリプターゼの関与を解明し、2)マウス筋損傷モデルを使用し、同トリプターゼによる筋再生への影響を検討し、効果的に筋再生を促す新規分子標的薬の開発研究を行い、臨床に還元し発展させることである。 2018年度は、①MCTが筋芽細胞の骨格筋への分化に与える影響、②MCTが筋芽細胞の脂肪化に与える影響を検討した。細胞はマウス筋芽細胞モデルであるC2C12および、G8細胞を休眠化した筋衛星細胞のモデルとして使用した。①MCT刺激により、筋分化が促進された。また、MCT受容体であるPAR2の阻害薬によりMCT刺激下の筋分化が抑制された。②筋芽細胞を低酸素状態で脂肪分化させ、MCTで刺激するも、脂肪分化過程を経て至った細胞は脱落数が多く、MCT刺激による差に有意な結果を得ることは出来なかった。次年度に酸素濃度、細胞密度とともに調整していく予定である。また、マウス筋損傷モデルを用いてMCTが筋再生を優位に促進しうるかも検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥満細胞由来トリプターゼ(MCT)の刺激によりマウス筋芽細胞(C2C12)が筋分化することを確認できた。また、このことにはMCT受容体であるPAR2を介したものであった。次年度は、予定通りにマウス筋損傷モデルを用いてMCTが筋再生を優位に促進しうるかを確認する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は得られた結果よりin vivoモデルとしてマウス筋損傷モデルを用いて骨格筋再生時におけるMCT の筋分化への影響をさらに検討していく予定である。 具体的には、マウスの背部を切開し背筋を直視下にCTXを注入し作成する筋損傷モデルを使用する。①単独損傷群(Sham群)と、損傷作成部位にMCTを注入する ②CTX損傷+MCT群 を作成する。損傷した背筋を経時的に採取し、組織学的・分子生物学的に骨格筋の再生と脂肪化を定量評価し、肥満細胞の発現について解析し、MCTの影響についてvitroでの結果と一致するかどうかを検証する。
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Research Products
(2 results)