2018 Fiscal Year Research-status Report
思春期特発性側弯症患者の3D骨形態解析による椎体内骨密度左右差の可逆性の検討
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18K16657
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧野 孝洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40724373)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 思春期 / 特発性側弯症 / 椎体 / 骨密度 / 可逆性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、思春期特発性側弯症(AIS)における椎体骨密度の左右差およびその経時的変化を、3D骨形態解析を用いて詳細に検討することにより、側弯症治療に新たなエビデンスを確立することである。 明らかにすべき問題点として、AIS患者において、椎体の外的環境の変化で椎体骨密度やその左右差に変化が起こりうるのか、術前後の側弯の改善度と椎体骨密度やその左右差に相関があるのか、術後も非固定カーブが進行する場合は術前の椎体骨密度やその左右差に関連があるのか、の3点を設定している。これらを明らかにするため、側弯の凹側凸側における椎体の3DCTからHU値の差やその経時変化、手術による側弯の矯正度と術前後の椎体HU値の変化の相関を比較検討していく予定である。椎体のHU値は骨密度とよく相関するといわれているが、実際の骨密度との定量的な関連性をもたせるため、2018年からCT撮像時にファントムを入れることにより定量化を可能にする試みを行っている。 2018年度は、これまでの症例の画像データベースから本研究の対象に合致する17例の術前・術後の画像計測を後ろ向きに行った。(X線上の脊柱変形の変化、CTの非固定椎体におけるHU値の変動)を行った。非固定椎体である第3腰椎・第4腰椎ともに、左右とも術前より術後の椎体HU値が減少しており、術後の不動化(運動制限)が椎体骨密度の低下を生じさせていることが考えられた。また、椎体HU値の左右差は、術前と比べ術後では左右不均衡が是正されていた。このことは、側弯の矯正によってカーブが減少すると、椎体骨密度の不均衡も是正されたと考えられた。 今後は前向きにファントムをいれて骨密度の定量化が可能な症例の蓄積を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後ろ向き研究としての画像解析を2018年度は行っている。予定通りの症例数の解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前向きに症例の蓄積を行っている。2018年度は7例の新規症例を追加することが可能であった。これらの症例の画像解析も2019年度に適時行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
ファントム購入を当初予定していたが、他研究で使用しているファントムを当研究でも使用させていただくことが可能となったため、差額が生じた。
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