2020 Fiscal Year Annual Research Report
Laterality and plasticity of bone mineral density in vertebral bodies of patients with adolescent idiopathic scoliosis
Project/Area Number |
18K16657
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧野 孝洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40724373)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 思春期特発性側弯症 / 骨密度 / 椎体 / 可逆性 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期特発性側弯症(AIS)の弯曲の変化が椎体内骨密度に与える影響を調査するため、AISに対し後方矯正固定術を施行した症例の腰椎部非固定椎体の椎体内骨密度を定量的CTを用いて計測した。 本研究期間内に手術施行し1年以上経過観察可能であった27例の女児の非固定腰椎75椎体を対象に計測した。術直後ならびに術後1年の定量的CTで椎体内骨密度を計測し、椎体内骨密度の左右不均衡を表すLaterality Index (LI, 椎体右半分の骨密度/椎体左半分の骨密度)、椎間板楔状角、椎体を挟む上下の椎間板の楔状角の和(Disc wedging angle index, DWAI)を計測し、これらの関係を評価した。 術前のDWAIは中央値5.0°であり、術前DWAIと術後1週(術直後、術前の側弯の影響を反映)のLIは正の相関をみとめた(ρ=0.827, p<0.001)。周術期のDWAI変化量中央値は-4°であり、術後1週から術後1年までのLIの変化量中央値は0.01であった。周術期のDWAIの変化量と術後のLIの変化量も正の相関を認めた(ρ=0.741, p<0.001)。 近年、AISにおいても遺伝的要因が様々に報告されるようになり、疾患感受性遺伝子の一部には骨形成に関与することが報告されているものもある。このような遺伝子の椎体内での発現の左右差も報告されているが、もし椎体内骨密度の左右差が遺伝的な素因によるものであれば、手術介入によっても椎体内骨密度不均衡が是正されることはないと考えられる。しかしながら本研究の結果から、AISにおける椎体内骨密度の左右不均衡は可逆的な変化であった。よって、AISにおける椎体内骨密度の左右不均衡は椎体を挟む椎間板の楔状度に示される外的な負荷による二次的な変化と考えられた。
|