2020 Fiscal Year Annual Research Report
Novel molecular sub-classification of soft tissue sarcomas
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18K16660
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小松 正人 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50531753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肉腫 / 癌精巣抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の組織型を呈する肉腫において、癌精巣抗原の発現レベルが肉腫の悪性度や患者予後に与える影響を免疫組織学的手法を含む分子生物学的解析にて検討した。 TCGAの265症例の肉腫症例の遺伝子発現情報と、Chengらの既報の癌精巣抗原のリスト(Nature Commun 2016)を用いて、4つの癌精巣抗原(DEPDC1A, LHX8, FHAD1, TRIP13)が、肉腫患者の有用な予後予測因子となることを見出した。実際に、未分化多形肉腫(UPS)/粘液線維肉腫(MFS)、平滑筋肉腫、脱分化型脂肪肉腫において、DEPDC1Aの発現を免疫組織学的に調査したところ、平滑筋肉腫ではDEPDC1Aが比較的いずれの症例もびまん性に核に陽性を示し、UPS/MFSでもある程度の陽性症例が得られ、脱分化型脂肪肉腫ではそれほど陽性症例は見いだせなかった。平滑筋肉腫とUPS/MFS症例に関して、発現レベルに応じて単変量解析にて術後無再発生存期間・全生存期間を調査したが、平滑筋肉腫症例において、わずかに高発現症例においては無再発生存期間が短くなる傾向があったものの(p=0.08)、統計学的有意差は得られなかった。LHX8, FHAD8に関しても免疫染色を追加したが、平滑筋肉腫・UPS/MFSでは有意な染色性は得られなかった(この点に関しては、抗体をさらに選定して調査する必要がある)。 平滑筋肉腫では、DEPDC1Aの高発現症例でわずかに無再発生存期間が短縮する傾向である点や、壊死・核分裂数が多い症例や、Ki-67 labeling indexが高い症例でDEPDC1Aの発現が高くなる傾向があることから、DEPDC1Aの下流に位置するNFKB pathwayに着目して、NFKB関連遺伝子の発現と平滑筋肉腫の悪性度に関してもさらなる調査を進めている。
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Research Products
(5 results)