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2020 Fiscal Year Research-status Report

間葉系幹細胞シートと組織移植を融合させたハイブリッド型自家神経作成の試み

Research Project

Project/Area Number 18K16672
Research InstitutionNara Medical University

Principal Investigator

清水 隆昌  奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (70464667)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords間葉系幹細胞シート / 末梢神経 / 神経再生 / 血管柄付き神経 / 自家神経移植
Outline of Annual Research Achievements

神経はその発生や再生において他の組織以上に血管と密接な関係を持ち、神経再生には血管ニッチと呼ばれる『血管内皮細胞』との相互作用が必要である。ヒト血液中のCD34陽性細胞分画中には血管内皮前駆細胞が存在し、血管内皮細胞への分化と、神経再生における有効性が証明されている。これらのことから、『血管内皮細胞』を含む組織の存在は、血管新生のみならず神経再生においても有効であると推測される。
骨髄間葉系細胞や間質細胞(Bone Marrow Stem/Stromal
Cells ; BMSCs)を採取培養し、シート状に採取する『BMSC シート』は、『血管内皮細胞増殖因子』など様々な成長因子を有する上に、血管新生に必要である間葉系細胞を含み、『血管新生』を促進可能なマテリアルである。本研究の目的は、『BMSCシートの血管新生能と神経再生能』を自家神経移植に組み合わせることによって作成した『ハイブリッド型自家神経』が、『血管柄付
き神経』に匹敵するかどうかを検証することである。
20mmの坐骨神経欠損モデルをラットで作成し、以下の4つの実験群を作製した。①同系ラットの坐骨神経を20mm採取し背部皮下に移植を行う群、②同系ラットの坐骨神経を20mm採取し遊離自家神経移植術を行う群、③①で自家神経の周囲を『BMSCシート』で被覆する群、④遊離血管柄付き神経移植術(20mm)を行う群。4群では、TUNEL染色による死細胞数には有意差はなかったが、シュワン細胞数、再生軸索数において、①<②<③<④の傾向を示した。これによってBMSC
シートは自家神経移植の神経再生能を高める可能性があることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

20mmの坐骨神経欠損モデルをラットで作成し、以下の4つの実験群を作製した。①同系ラットの坐骨神経を20mm採取し背部皮下に移植を行うsubcutaneous autologous nerve群;SAN群、②同系ラットの坐骨神経を20mm採取し遊離自家神経移植術を行うAutologous nerve群;AN群、③①で自家神経の周囲を『BMSCシート』で被覆しするBMSC sheet群;BS群、④遊離血管柄付き神経移植術(20mm)を行うFree vascularized nerve graft群;FVNG群。
4群では、TUNEL染色による死細胞数には有意差はなかったが、シュワン細胞数、再生軸索数において、①<②<③<④の傾向を示した。これによってBMSCシートは自家神経移植の神経再生能を高める可能性があることが分かった。

Strategy for Future Research Activity

術後4, 8, 12, 16週で、前脛骨筋の筋力、筋実質量、電気生理学試験で複合筋活動電位(compound muscle action potential;CMAP)、足関節の可動域、腓骨神経の組織形態計測を行い、神経再生を評価する。また、術後早期である3, 7, 10, 14日で、自家神経内の軸索再生の評価を長軸像で免疫組織学的行う(成長円錐;GAP43、再髄鞘化部;Tuj1(緑))。血管内内皮細胞に対してCD31、CD34、SMα-actinで染色し、その局在を評価する。血管新生の評価はICG(Indocyanine green)を用いた近赤外線蛍光イメージング手法を用いてラットに尾静注したICGを赤外線カメラで撮像することでも行う。ラットの細胞で得られた結果をもとに、ヒト間葉系幹細胞を用いて検証を進める。Lonza社(ロンザジャパン株式会社)から購入したヒト骨髄間葉系幹細胞(hBMSC: PT2501;CD105, CD166, CD29, CD44:陽性、CD13, CD34, CD45:陰性)を用いて効果を検証する。予備実験において、hBMSCでもラット同様に『BMSCシート』が作製できることは確認しており、微小血管外科手技の融合による自家神経との『ハイブリッド型自家神経』の実現の可能性が高い。免疫不全動物の坐骨神経欠損モデルを用いて、同様の実験を行いて臨床応用での手技の確立を目指す。

Causes of Carryover

コロナに関連し、計画に遅延が生じたため。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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