2020 Fiscal Year Research-status Report
PDL1発現制御に着目した膀胱癌新規治療標的の探索
Project/Area Number |
18K16691
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
齊藤 亮一 関西医科大学, 医学部, 講師 (30792270)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下のように研究計画を策定した。1)化合物スクリーニング: マウス浸潤性膀胱癌細胞株においてIFN-γ投与下にPD-L1を発現させ,抗体蛍光標識させた後に,ライブラリーコンパウンドを投与し,発色を測定する。発現抑制効果が見られた化合物を候補薬剤としてピックアップする。2)アログラフトモデルを用いて評価:スクリーニングで用いた細胞株のアログラフトを作成し,抗PD-1抗体と共に候補薬を投与し,抗腫瘍効果を検討する3)PD-L1発現制御メカニズムの解明:用いた薬剤の作用機序とPD-L1発現の関連を検討し,その分子メカニズムを考察する。
令和2年度までに1)当科で作成したマウス浸潤性膀胱癌細胞株であるUPPL1541を用いて,組織培養液中にINFγを加え,24時間後に抗Pdl1抗体で染色を行い,フローサイトーメトリーで確認した所,INFγ投与群ではコントロールIgG投与群に比較して有意にPdl1の発現が上昇していた。同様の条件で培養し,細胞固定した後に蛍光免疫染色を行い、染色条件の最適化により有意なPdl1発現上昇を確認した。Pdl1発現を抑制可能な薬剤のスクリーニングを進め、複数の候補薬剤を抽出した。2)候補薬についてin vitroでのPd-l1発現抑制に最適な濃度設定を行ったのち、UPPL1541アログラフトモデルに投与し腫瘍抑制効果を得るための濃度設定を行った。中間解析では既知のKinase inhibitorで有意差はないもののわずかに腫瘍抑制効果を認めた。3)については既知のKinase inhibitorが転写レベルでPd-l1分子の発現を抑制する可能性を示唆する結果であったが有意差を認めていない。今後さらに詳細な検討を加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vivoで使用する薬剤の準備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
既知のKinase inhibitor単独では有意な腫瘍抑制効果を認めなかったため、PD1経路阻害剤などとの併用療法を検討する。
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Causes of Carryover |
In vivo実験に必要なIn viro実験データを得るのに時間を要し、試薬の準備が遅れたため。 今年度の研究費は既存のKinase inhibitorとPD-L1抗体の購入に充当する予定である。
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