2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of shorten mechanism and detection of mutations for circulating tumor DNA in renal cell carcinoma patients.
Project/Area Number |
18K16692
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 致之 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (90759557)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腎癌 / 循環腫瘍DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
腎癌の病理組織像の種類は複数あるため、本研究は腎癌の遺伝子変異に着目した研究であり、集団を均一にする目的で、最も高頻度の淡明細胞型腎細胞癌(ccRCC)に絞って研究を開始した。腎細胞癌患者の治療前の血漿からQIAamp circulating nucleic acid kit(QIAGEN社)を用いて、血中遊離DNA(cell-free DNA; cfDNA)を抽出した。前年度に次世代シークエンサーを用いて、5例の腎癌患者血漿中2例でcfDNA中に遺伝子変異を同定し、腎癌特異的な循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA; ctDNA)であることを確認した。以上より本研究で開発した腎癌遺伝子変異パネルが使用可能であることが分かり、本年度は症例数を増やして解析を行った。腎癌患者53例中、16例でcfDNA中に遺伝子変異を認めctDNAを同定した。変異遺伝子数は1~7個で、中央値2個であった。変異遺伝子は多いものから順にTP53が6例、BAP1・VHLが各5例ずつ、TSC1が4例、SETD2が3例であった。変異アリル頻度は1.2~54.5%であった。また同定した遺伝子変異の中から、11変異に対しデジタルPCRでプライマー・プローブを設計した。デジタルPCRを施行した11変異全てで、cfDNA・組織由来癌ゲノム両方に同一の変異を認め、次世代シークエンスの手法・解析が正しかったことが確認できた。現在、腎癌の有用な血液バイオマーカーは存在せず、本研究で同定したctDNAの臨床応用が期待され、患者への負担、医療費の削減を含めた社会への貢献の意義は大きいと考えている。
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Research Products
(3 results)