2020 Fiscal Year Annual Research Report
investigation of the new gene causing congenital anomalies of kidney and urinary tract
Project/Area Number |
18K16700
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大塚 泰史 佐賀大学, 医学部, 講師 (50448479)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 先天性腎尿路異常 / CAKUT / パラメトリック連鎖解析 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本邦におけるCAKUT原因遺伝子の網羅的解析を行うことを目的とし、CAKUTが濃厚に発症した2家系について、エクソーム解析、ジェノタイピング解析を行い、新規遺伝子異常を探索するものである。 対象(表2):家系1は、尿道狭窄、馬蹄腎、低形成腎による慢性腎不全の男児であり、父に尿道狭窄(内視尿道切開術)の既往がある。家系2は両側低形成腎、膀胱尿管逆流によるCKDの男児を有し、母、兄に片側の膀胱尿管逆流の手術歴がある。2家系に血族婚はない。①2家系の全員末梢血DNAを用いて、次世代シークエンサーによるエクソーム解析を行う。②2家系全員の末梢血DNAを用いてマイクロアレイによるジェノタイピングを行い、欠失や重複など構造異常を確認するとともに、ハプロタイプ情報を得る。SNPデータは、東芝社製ジャポニカアレイ(座位数 659709座位)で解析し、解析ソフトは、品質評はplink、家系矛盾 はPEDSTATS、連鎖解析はMERLINを用いた。解析はSNPデータの品質を評価した後、それらのデータをもとにパラメトリック連鎖解析を行った。パラメトリック連鎖解析は、3つの遺伝継承様式(優性モデル、相加モデル、劣性モデル)に基づく解析を行った。各解析の遺伝継承様式と浸透率は以下の通りとなった。疾患関連座位におけるマイナーアレル頻度は、0.0001に設定した。 結果①2家系8名のエクソーム解析では、SNV、InDelをすべて目視で確認したが、Pathogenic Variantは認めなかった。②ジェノタイピング解析をもとにパラメトリック連鎖解析を行った。3つの遺伝継承様式(優性モデル、相加モデル、劣性モデル)に基づく解析とした。結果、2家系ともに優性もでる、相加モデル、劣性モデルともに、LODスコアは0もしくは負の値であり、LOD score の有意水準(3.3 以上)を超える領域はなかった。Family2で一部みられた、LOD score が負の値である領域は、形質との関連性が低い領域と考えられた。
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