2018 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAとエピゲノム機構の相互作用による膀胱癌シスプラチン耐性化機序の解明
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18K16701
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
進藤 哲哉 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80749292)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時の研究により膀胱癌におけるシスプラチン抵抗性にマイクロRNA200bがメチレーションにより修飾をうけ、その程度により抗癌剤抵抗性が変化することが確認されていた。一方使用した膀胱癌細胞株であるT24はシスプラチン感受性株であるにも関わらず、当初より比較的同マイクロRNAのCpG領域におけるメチル化が高いことも確認されていた。この事実より研究者らは、他エピゲノム機序がシスプラチン抵抗性の修飾に関与していると考え、T24およびシスプラチン抵抗性株であるT24RCを用いてヒストン修飾をChIP-PCRを用いることで検証した。代表的なヒストン修飾であるH3K9のアセチル化が耐性株にて低下していることやH3K27me3が耐性株で亢進していることを確認した。この知見によりますます耐性株におけるエピゲノム変化が耐性化を引き起こしている可能性が想起された。
申請者らは上記研究内容も含め、2019年2月に米国ハワイ州に行われた第11回日米癌合同会議において研究成果発表を行い、他国研究者と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた前向きの臨床研究に関して、必要な症例数の確保が困難であり、研究の方向性を修正する必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前向きの臨床研究において解析に必要と考えられる検体採取を行うためには当初予定より大幅な研究期間の延長を要するものと考えるため、過去に採取した検体を使用することも考慮する。 引き続きヒストン修飾の観点から抗癌剤耐性化の解除の可能性を検索し、膀胱癌シスプラチン耐性化に関わるエピゲノムの意義を検証したい。また普遍性を検証する目的でT24のみではなく、他膀胱癌細胞株も使用し耐性株を樹立し得られた知見の確認を並行して行っていく。
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Research Products
(1 results)