Elucidation of developmental mechanism for benign prostatic hyperplasia by pathogen invasion using next-generation sequencing

2020 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K16702
• Research Institution: Fukushima Medical University
• Principal Investigator: 本田 瑠璃子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80813138)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 前立腺肥大症 / 次世代シークエンサー / クラミジア

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、前立腺肥大症増殖過程において、炎症反応を引き起こす細菌、ウイルス、真菌などの病原体を同定を目的としていた。さらに、その同定した病原体による炎症反応が前立腺増殖を引き起こす発症機序を詳細に解明し、そこから前立腺肥大症の発症予防やその進行抑制となりうる治療法について検討した。
経会陰式前立腺生検術施行の際に採取した前立腺組織を用いて、PCR及びシークエンスによるゲノム解析を行ない、前立腺肥大症に関連する菌種の同定を行なった。PCRの結果、数種類の細菌とクラミジアを検出することができたが同定された。さらに、それらをシーケンスし菌種の同定を試みた結果、一部の前立腺組織検体中にクラミジアＤＮＡの存在を認めた。一方、細菌は複雑多岐にわたっていたが、いくつかの菌種が同定された。
さらに、前立腺組織内のこれらの菌種の有無と、各種臨床的パラメータ（前立腺体積、下部尿路症状スコア）との解析を行なった。その結果、前立腺体積、及び蓄尿症状スコアと特定の菌種の間で、有意な差が認められた。つまり、肥大前立腺組織内の特定の菌種の存在が、前立腺肥大症の増殖過程、下部尿路症状の増悪に影響する可能性が示唆された。