2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theraputic effect of natural flavonoid on bladder cancer
Project/Area Number |
18K16705
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯田 啓太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30713945)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膀胱がん / 酸化ストレス / チオレドキシン / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
膀胱がん症例の手術検体を用い、mTOR活性の指標となるp-S6の免疫染色を行った。画像ソフトを用いて免疫染色の発現レベルを定量化し、予後との相関を検討した。進達度が高いほど、そして異型度が高いほどp-S6発現レベルが高く、mTOR活性が上昇していることが明らかになった。 in vitro実験で発現差を認めたp21は膀胱がんにおいて癌抑制遺伝子として報告されており、その上流にあるp53は膀胱がんで最も変異の頻度が高いと報告されている。T24と5637はp53変異株であるので、p53野生株であるRT4においてルテオリンがp21の発現亢進作用があるかどうかを検証した。RT4においてsiRNAを用いてp53ノックアウトするとp21の発現が低下し、そこにルテオリンを暴露するとp21の発現が再上昇した。以上よりルテオリンは、p53の発現レベルに関わらずp21の発現上昇をきたす作用があることがわかった。 in vivo実験において、BBN膀胱発がんラットのパラフィン切片からDNAを抽出し、DNA sequenceを行いp53のExon5, 6-7, 8の配列をシークエンスした。対象はコントロール群10匹、ルテオリン100ppm群10匹とした。コントロール群4匹、ルテオリン100ppm群2匹にp53の変異が認められた。 BBN膀胱発がんラットにおいて、ルテオリン20, 100ppm群では尿路上皮癌の悪性化の指標となる扁平上皮分化が、コントロールと比べて低下していた。扁平上皮癌のマーカーであるCK5/6の免疫染色においても、ルテオリン投与群では有意に低下していた。そして私たちが以前膀胱の扁平上皮分化に関わると報告したglutathione peroxidase 2 (GPX2)が、ルテオリン投与群では有意に低下していた。以上より、ルテオリンはGPX2を介して扁平上皮分化を抑制する働きを有していた。
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