2018 Fiscal Year Research-status Report
腹直筋を移植細胞ソースとした骨格筋由来幹細胞による尿失禁治療
Project/Area Number |
18K16712
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中島 信幸 東海大学, 医学部, 助教 (20580319)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 骨格筋由来幹細胞 / 尿失禁 / 前立腺癌 / 体性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋由来幹細胞を用いた組織再生医療の開発を実現すべく、これまでマウスを用いたin vitroからin vivoに至る基礎実験から、実際にヒト骨格筋由来幹細胞を免疫不全動物へ移植するトランスレーショナル実験を行ってきた。その結果、骨格筋由来幹細胞が筋系・末梢神経系・血管系細胞系譜に分化し、組織として筋・神経・血管をユニットとして再構築できることを証明してきた。今回、臨床応用を目指した「安全性確認実験」の一環として、大型動物であるブタ(マイクロミニブタ)を用いた実験を計画した。その初年度として、「ブタ骨格筋由来幹細胞の分化能力を確認する実験を行った。これまで、マウス、ヒト由来細胞実験を通じて一貫して用いてきた細胞分離・精製方法(コラゲナーゼ及びCD45, CD34. CD29を使用したFACS)で同様にブタ細胞を抽出し、ヌードマウス、ヌードラットの筋・神経損傷モデルに移植した。その結果、ブタ骨格筋由来幹細胞もマウス、ヒト同様の分化能力を示すことが明らかとなった。これまでの特徴的結果として、ヒトでは筋系細胞と神経・血管系細胞群がそれぞれSk-DN細胞(CD45-/34-/29+)とSk-34(CD45-/34+)に分離可能であるが、マウスでは各細胞群が同一系譜上にある点が上げられる。この点に関して、ブタ細胞はヒト同様の傾向を示したことから、「ブタはマウスよりヒトに近い」ことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた、ヒトの骨格筋幹細胞を採取を行うまでには至っておらず、大型動物生体内におけるヒト骨格筋由来細胞の安全性、有効性確認までには至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年4月から2021年3月までの間、アメリカ Weill Cornell Medical Collegeに研究留学を予定しており、すでに研究中断届を提出済みである。留学中には主に、網膜の再生の研究を中心に行い、そこで得られた知見を帰国後の研究に生かしたい。帰国後には、ヒト骨格筋由来細胞の大型動物生体内における有効性、安全性の確認を速やかに行い、臨床応用に向けて諸手続きも並行して行っていく予定である。
|
Research Products
(1 results)