2018 Fiscal Year Research-status Report
最終糖化産物が尿路結石形成に及ぼす分子機構の解明とバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
18K16714
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
井上 慎也 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20740997)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 最終糖化産物 / Toxic-AGE / 果糖ぶどう糖液糖 / マイクロアレイ / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
果糖ぶどう糖液糖(High Fructose Corn Syrup : HFCS)の摂取が腎臓の遺伝子発現に与える影響と、HFCSの代謝中間体であるグリセルアルデヒドから生成される細胞毒性の高い終末糖化産物(advanced glycation end-products, AGEs)であるToxic-AGE(TAGE)の相関を検討した。本研究では、10%HFCSを自由飲水にてラットに投与し8週間飼育。血清、肝、腎組織中TAGE測定とDNAマイクロアレイにより腎組織における遺伝子発現を解析した。結果、血清TAGEと肝組織中TAGEはHFCSを負荷することで有意に上昇したが、腎臓組織内TAGEは検出限界以下であった。DNAマイクロアレイではHbb, Hba1/Hba2, CYP24A1, BCL6, PLIN2, WSB1, MLPH, FERMT1のup regulationとFKBP5, CALB1, SCNN1A, C9orf3, USP2のdown regulationを認めた。そのうち肝臓組織内TAGEとUSP2,Calb1遺伝子変動に負の相関関係を認めたが血清TAGEとは相関を認めなかった。また腎臓におけるAGEs受容体(Receptor of advanced glycation end-products, RAGE)発現をReal time PCR にて検討を行ったが、HFCS負荷によって腎臓にRAGE発現は誘導されなかった。本研究で明らかとなったことは、HFCS負荷が腎臓における遺伝子変動を誘導すること。また肝臓組織内TAGEが腎臓それらの遺伝子変動と相関する。その変動にはRAGEを介さない直接作用や、その変動にはエキソソームやサイトカインなど介在する因子の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、エチレングリコールを用いて尿中シュウ酸カルシウム結晶を誘発した結石形成モデルラットでのTAGEの生成・蓄積とRAGE発現の検証を予定していたが、当初の計画を達成しうる予備(基礎)実験として現在はHFCS単独での影響を検討行うため、Wisterラットを用いてDNAマイクロアレイによる腎臓での遺伝子発現検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した通り、シュウ酸前駆物質であるエチレングリコールを投与し、シュウ酸カルシウム結晶を誘発した結石形成モデルラットでのTAGE蓄積やHFCS負荷によって変動をする遺伝子がH尿路結石形成に影響を与えるが検討を予定している。
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Research Products
(3 results)