2019 Fiscal Year Annual Research Report
Antitumor effect mechanism of statin in prostate cancer cells focusing on autophagy
Project/Area Number |
18K16722
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮澤 慶行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90647083)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | statin / CRPC / Autophagy |
Outline of Annual Research Achievements |
●スタチン投与を行なった前立腺癌細胞株(PC-3、LNCaP-LA、DU145、22RV-1)において投与したスタチンの濃度依存性にオートファジー発現の増加をウエスタンブロットにてLC-3タンパクの増加にて確認した。LC-3はオートファジーが活性化される際に発現するとされるタンパク質であり、多くの実験報告にて用いられている。 ●標的の細胞にてオートファジーが活性化したかどうかを判別するため、オートファゴソームを蛍光染色できるキットを用い、スタチン投与によるオートファゴソーム増加を確認した。 ●最もLC-3発現が顕著であったPC-3の細胞(去勢抵抗性前立腺癌細胞のモデル)スタチンを投与し、オートファジーを高発現させる薬剤(ラパマイシン)、オートファジーを低下させる薬剤(クロロキン)を投与し、増殖にどのような影響をもたらすのかMTSアッセイを用い検証した。ラパマイシンとスタチン投与を併用した場合においても、クロロキンを併用した場合においてもPC-3細胞で有意に増殖抑制効果を認めた。ラパマイシン、クロロキン単剤投与においても増殖抑制効果が確認できた。オートファジーの発現の程度は、スタチン+ラパマイシンにおいてはオートファゴソーム形成が増加したことが先の蛍光染色のアッセイで確認できた。スタチン+クロロキン併用群においてはオートファゴソーム形成がスタチン単独投与時にくらべ低下したが増殖抑制効果は増強した結果となった。 ●以上の結果から、スタチン投与とラパマイシンによるオートファジー増加は相乗的に増殖抑制効果をもたらす可能性が示されたが、ラパマイシン投与によるオートファジー誘導と異なるメカニズムによる可能性もあり、今後の研究課題とした。また、オートファジーを抑制することでも相乗効果が認められたことから、スタチンの抗腫瘍効果においてオートファジーが果たす役割が中心的ではない可能性が示唆された。
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