2018 Fiscal Year Research-status Report
アクチンキャッピングプロテインの精子妊孕能への影響と発現制御機構の解析
Project/Area Number |
18K16733
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
惣田 哲次 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20722656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アクチンキャッピングプロテイン / 男性不妊 / 生殖補助医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクチンキャッピングプロテインの精子妊孕能への関与を検討するため、体外受精(IVF)を行ったカップルの男性不妊患者でのアクチンキャッピングプロテインの発現と治療成績との関連について検討を行った。 無精子症を除いた38例の射出精液の検体収集が可能で、キャッピングプロテインα3およびβ3の蛍光二重免疫染色を行った。正常形態精子100個を観察し異常染色率を算出し、IVFの治療成績との関連について検討した。検討項目は、受精率、胚盤胞到達率、受精率、妊娠率とした。精子濃度:141±75×106/mL, 精子運動率:57.5±14.8%、精子奇形率:48.5±15.1%であった。周期当たりの受精率:55.7±36.8%、受精卵当たりの胚盤胞到達率:47.1±37.6%であった。異常染色率が20%未満と20%以上に分けると、各々、n=18,20、夫年齢:38.3±1.2, 39.0±1.2、妻年齢:36.7±1.1, 37.8±1.0、精子濃度:145±15, 139±14 (×106/mL)、精子運動率:56.8±3.5, 58.0±3.4、精子奇形率:44.8±3.5, 52.0±3.3であった。受精率は異常染色率20%未満:68.4%、20%以上:44.2%と有意に異常染色群で受精率が低かった。一方、胚盤胞到達率は異常染色率20%未満:41.5%、20%以上:53.1%で有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ICSIを行った男性不妊症患者の精子検体が収集出来ていない。一方、キャッピングプロテインβ3の転写開始点の予測配列の同定に難渋しており、クローニングが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた男性不妊症患者のIVFによる妊娠率や生産率の結果を待つ。また、ICSIを行った男性不妊症患者でも精子検体を用いてキャッピングプロテインの発現解析を行う予定である。 キャッピングプロテインのプロモーター解析については、引き続き転写開始部位の検索を行いクローニングを試みる。その上でプロモーター領域の解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行した為、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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Research Products
(2 results)