2019 Fiscal Year Research-status Report
Proteomic analysis of human semen for elucidation of etiologies and development of biomarker in idiopathic male infertility
Project/Area Number |
18K16739
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹島 徹平 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80811603)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロテオミクス / プロテオーム解析 / タンパク質解析 / 精子 / 男性不妊症 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、疾患群を抗がん剤治療後の患者群とし、精子のサンプル調整後、タンパク質のpre-fractionation、および酵素処理を行ったのちに、相対定量法によるプロテオーム解析を行い、正常な妊孕能を持つドナーを対照群(C群:n=3)として抗がん剤治療後患者(P群:n=3)の精子細胞中に過剰発現または低発現するタンパク質およびペプチドについて検体処理後にLC-MS/MSによる定量を行い、得られたスペクトルを元にデータベースを用い発現量に差異のあるタンパク質およびペプチドを同定した。結果、ショットガン分析で同定された精子中の全1151タンパクおよび5268ペプチドのうち、136タンパクがP群で、88タンパクがP群で発現量に有意に2倍以上の差がみられた。P群の精子中に過剰発現がみられたタンパクとして癌関連タンパク(U)や酸化ストレス関連タンパク(T)、低発現しているタンパクとしてアクロソーム反応関連タンパクや抗酸化ストレス関連タンパク(G)などがみられた。タンパク質ネットワーク解析ツールを用いて各タンパク質の機能や相互関係につき解析を行った。うちタンパク質Uにつきウェスタンブロット法によるvalidationの確認を行ったが、バンドの検出が非常に少なく、再度タンパク質濃度を増やして検証を行っている段階である。 また、引き続き他の疾患群の検体の調整およびストックを行っており、蓄積次第LC-MS/MSを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在検体収集および解析の進捗は比較的順調であり、本年度中にもう2回程度LC-MS/MSを行う予定である。また、本年7月に研究成果を国際学会でポスター発表する機会があり(ESHRE2020、COVID-19の影響でオンライン開催)発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
他の疾患群の検体は現在順調に同意の上、収集し、検体処理を行っているところである。検体が蓄積された段階で、本学生命医科学研究科プロテオーム解析教室に持参しLC-MS/MSおよびデータベースによるタンパク質の同定・定量を行っていく予定である。適宜研究成果を学会(国内・国際)で発表し論文化を行う予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会への出席・発表が1回出来なかったこと、LC-MS/MS解析をもう1回やる予定であったが、検体の調整が間に合わなかったこと、注文した抗体の到着に時間がかかり、予定していた実験ができなかったことから次年度使用額が発生した。その分を次年度で行う予定である。
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