2018 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of ointment preparation of 4-dimensionally controlnable NO donor "NO-Rosa" and its application to ED treatment
Project/Area Number |
18K16742
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堀田 祐志 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90637563)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 光応答性NOドナー / 勃起不全 / NO-Rosa / NORD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
勃起不全(ED)の治療薬として、現在ホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5阻害薬)が利用されている。PDE5阻害薬により、一定の効果は得られているが、前立腺がんの術後や糖尿病に伴うEDでは効果が低い。この要因の一つにPDE5の上流に位置する一酸化窒素(NO)産生の低下が報告されている。このような症例では、NO補充療法が有効となることが期待されるが、全身作用による副作用から実用化が困難な状況である。そこで、我々は、光応答性NOドナーに着目した。光応答性NOドナーは、光照射の部分のみ、また光を照射している時間のみNOを放出することが可能という特徴を有しており、全身作用を避けることができる。 当初、黄緑色光応答性NOドナー「NO-Rosa」を用いて検討を進める予定だったが、より生体応用の可能性が高い赤色光(630-690 nm)応答性NOドナー「NORD-1」の開発に成功したため、NORD-1を用いた研究へと変更した。等尺性収縮弛緩実験から、NORD-1と光照射により白膜存在下での陰茎海綿体の弛緩反応が制御可能であることを見出した。次に、in vivoレベルでの検討として陰茎海綿体内圧測定法により、勃起反応の増強を個体レベルで評価した。海綿体神経の低Hzでの刺激下で、NORD-1と光照射は、光の強度に依存しつつ勃起反応を増強することを明らかにした。赤色光は組織透過性に優れていることから、ヒトの陰茎においてもNORD-1と赤色光照射は勃起反応の増強する上で有効であることが考えられる。今後、当初予定の軟膏製剤化や病態モデルでの検討を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、黄緑色光(530-590 nm)に応答する光応答性NOドナー「NO-Rosa」を利用する予定だったが、より組織透過性に優れている赤色光(630-690 nm)に応答する「NORD-1」の開発に成功した。NORD-1を用いた平成30年度の研究から、白膜存在下でのラット陰茎海綿体の弛緩制御、ならびに個体(ラット)レベルでの勃起反応の制御が可能であることを世界で初めて見出した。またこれらの弛緩反応および勃起反応の増強は光強度に依存しており制御可能であることも見出した。赤色光は組織透過性に優れていることから、ラットだけでなくヒトでの応用の可能性が示唆された。当初予定の軟膏製剤化、病態モデルでの検討を次年度は行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
NORD-1を用いた塗布剤を作成し、海綿体注射時と同様に勃起機能を増強できるか、無処置のラットで検討する。効果が得られれば、評価後の陰茎組織を用いて組織学的な検討を行う。病態モデルでの検討を進める。当初予定の軟膏製剤化、病態モデルでの検討を次年度に進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当初購入予定の備品を代替できることになり購入不要となったため、次年度使用額が生じた。次年度は消耗品を中心とした物品費に充当する予定である。
|