2019 Fiscal Year Annual Research Report
Significance of AXL expression in urologic oncology.
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18K16745
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
箱崎 恭平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70813426)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | AXL / GAS6 / 癌微小免疫環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はAXLの発現と予後との関連について検討し、さらにAXLをターゲットとするCabozantinibに着目し、これを用いた膀胱癌はじめ泌尿器科癌に対する新規治療戦略を新たな発想のもと確立したいと考えた。当初は膀胱癌に限ってAXL発現の意義と新規治療可能性を探っていく方針であったが、膀胱癌でのAXL発現を評価する予定であったTMAの作成が困難であり、また昨今の諸家の報告よりAXLをターゲットとした膀胱癌治療よりも腎癌治療で有用な可能性が示唆されてきたため、2019年度は泌尿器科癌の中でも腎癌にスポットを当てAXL発現とその意義、治療への応用を評価するに至った。 腎癌では諸家の報告でAXL発現と予後との相関が報告されているが、本研究でも、腫瘍中心部および辺縁部におけるAXL発現は予後と有意に相関した。同様にAXLのリガンドであるGAS6発現も予後との関連性が示唆された。本研究では、独自にAXL-GAS6 scoreというスコアリングを定義し、このAXL-GAS6 scoreが予後と強い相関を示すことも明らかにした。また、転移巣や組織型別のAXL、GAS6発現についても評価した。加えてAXL、GAS6発現と癌免疫微小環境との相関も検討し、AXL-GAS6 scoreは原発巣においてCD47/SIRP系と癌代謝系と関与し、抗腫瘍免疫を抑制性に制御している可能性が示唆された。また、転移巣では、癌代謝系の亢進とTcellのExhaustにより抗腫瘍免疫が抑制性になっている可能性が示唆された。このことは、AXL、GAS6発現の予後不良の機序の解明につながり、Cabozantinibの適応の一助となる可能性が示唆された。 これらの結果に加え、今後は今回検討した症例と同一症例における遺伝子解析を行い、AXL 、GAS6発現と癌微小免疫環境と遺伝子異常との関連性を検討していきたいと考えている。
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Remarks |
学会発表は演題採択されましたが、COVID19に影響で中止となったため、Web上での公開のみとなりました。
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