2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis for biomarkers derived from placenta in postpartum cardiomyopathy with preeclampsia
Project/Area Number |
18K16756
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 峻志 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (00792061)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 周産期心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症を合併した周産期心筋症患者及び健常産褥婦由来の血液検体中のsmall RNAをマイクロアレイにより網羅的に解析を行った。その結果、患者群ではmiR-320a/bの発現が特異的に亢進していた。次にHEK293T細胞にmiR-320a mimicsをtransfectし、トランスクリプトーム解析及びパスウエイ解析を行った。その結果、小胞体ストレス応答・EIF2シグナリング・NRF2シグナリングの抑制を認めた。これらのtarget genesの中から、miR-320a/bの標的遺伝子となるものをTargetScan7.0.という解析ソフトを用いて選別した。そして、EIF2aK3(PERK)及びStat4が特定された。 次に、心筋特異的PERKノックアウトマウスに妊娠・出産を繰り返させたところ、心拡大を伴う心不全となり、周産期心筋症に類似した病態を示した。そして、未経産及び出産後のコントロールマウスとノックアウトマウス由来の心臓に対し、RNA-sequencing及びパスウエイ解析を行った。出産後のノックアウトマウス心臓では、周産期に心保護的に作用する様々な分子シグナリング(Stat3シグナリング等)が抑制され、necroptosisシグナリングの亢進を認めた。 さらに、低酸素下心筋細胞においては、非切断プロラクチンがPERKシグナリングを亢進すること、切断プロラクチンはPERKシグナリングに影響を及ぼさないことをin vitro実験で確かめた。 以上より、妊娠高血圧症を合併するようなストレスを伴う妊娠・出産においては、miR-320a/bは診断的バイオマーカー及び治療標的として有望であると考えられた。
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