2020 Fiscal Year Research-status Report
若年子宮体癌の妊孕性温存療法に対する非侵襲的治療効果判定法および抵抗性機序の解明
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18K16763
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 しず佳 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (40792643)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / FES-PET |
Outline of Annual Research Achievements |
FES(16α-[18F]fluoro-17β-estradiol)-PET検査では生体内で機能しているエストロゲン受容体(ER)やプロゲステロン受容体(PR)を非侵襲的に検出することができ、子宮体癌においてもERやPRの発現が高いほど、FESの集積が高いことが報告されている。 令和2年度は、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)を用いたホルモン療法の適応となる早期子宮体癌の予後と原発巣のFES集積に関する検討を行った。全例で治療前にFES-PET検査を施行し、PET集積の評価は平均standardized uptake value (SUV)を用い、年齢、組織型、FIGO進行期分類、筋層浸潤、腫瘍サイズ、リンパ脈管侵襲、リンパ節転移などの臨床予後因子との相関も検討した。ホルモン療法の適応となる、FIGO進行期IA期のG1もしくはG2類内膜癌かつリンパ脈管侵襲陰性であった子宮体癌27症例での解析において、FES SUV低値群では有意な無増悪生存期間(PFS)の短縮を認め、(P =0.002)再発のリスクが高いことがわかった。また、術前には予測することが難しいリンパ脈管侵襲に関して、リンパ脈管侵襲陽性群では有意にFES集積が低いことがわかった。 以上より、治療抵抗性の原因となりうる転移や再発のリスクが高い子宮体癌では、FES集積が低く、FES-PET検査が早期子宮体癌においても治療抵抗性予測に有用である可能性が示唆された。しかし、ホルモン療法に対する治療抵抗性に関しては、さらなる検討が必要である。 本研究は、産前産後休暇の取得に伴い、令和3年1月より中断中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の研究実績に関し、論文を作成し、Journal of Nuclear Medicineに掲載予定である。MPA投与によるホルモン受容体発現変化と腫瘍抑制効果の相関について検討する研究は現在行っている途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、令和2年度に新規に妊孕性温存ホルモン療法を希望される患者さん(現在治療中)に対する解析を行う。 また、既存の子宮体癌細胞株でのホルモン受容体発現を確認し、MPA投与によるホルモン受容体発現変化と腫瘍抑制効果の相関について明らかにすることにより、FES-PET検査がホルモン療法の治療効果予測に有用かどうかを検討していく。
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Causes of Carryover |
研究に遅れが生じており、MPA投与によるホルモン受容体発現変化と腫瘍抑制効果の相関について検討する研究の途中で、産前産後休暇を取得したため、次年度使用額が生じている。令和3年度には上記研究と、新規症例でのPET解析に対して使用していく。
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Research Products
(3 results)