2020 Fiscal Year Research-status Report
インターフェロン誘導性抗ウイルス因子の胎盤形成に及ぼす影響
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18K16773
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
泉田 真生 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90567299)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内在性レトロウイルス / インターフェロン / シンシチン / 胎盤 / 妊娠高血圧症 / 細胞融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、ガンマインターフェロンで誘導される宿主因子が、胎盤形成時に必要な内在性レトロウイルスの機能を阻害することをin vitro, in vivoで証明した。妊娠高血圧症は、胎盤形成不全が一因となる疾患である。今年度は、基礎疾患のない妊娠高血圧症患者群と、健常者で出産までに問題なく経過したコントロール群の胎盤を採取して、胎盤RNAやたんぱく質を抽出して解析を行なった。in vitroで内在性レトロウイルスを阻害する結果が得られた宿主因子は、妊娠高血圧症患者の胎盤たんぱく質レベルでコントロールと比較して有意に上昇していた。一方で胎盤mRNAレベルでは、発現量に有意差は認めなかった。胎盤形成に必須の内在性レトロウイルスであるシンシチンの発現は、たんぱく質量、mRNA量ともに有意差はなかった。2020年度は、ベトナムコホートの胎盤サンプルから同様の解析を行う予定であったが、コロナウイルス感染症流行のため渡航が叶わず予定を変更した。胎盤サンプルの他に臍帯血、母体血を保存しており、ここからインターフェロンの定量を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症流行のため渡航できない状態が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本からベトナムへの渡航が可能になれば予定通りベトナムコホートでの胎盤サンプルの採取を行うが、期限に目処が立たない場合、現在ある日本の胎盤サンプルで、他の抗ウイルス因子のタンパク量やmRNA量の発現を追加解析する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行のため、海外フィールドで行う予定の研究ができなかったため次年度使用額が発生した。繰り越し額は次年度に発生予定の解析費用に使用予定である。
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