2020 Fiscal Year Research-status Report
Wnt/β-catenin経路阻害剤を子宮内膜症治療に応用する
Project/Area Number |
18K16774
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平川 東望子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (20516132)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / β-カテニン |
Outline of Annual Research Achievements |
Wnt/β-catenin経路の異常活性化は肝硬変、特発性肺線維症などの線維化の主な原因として考えられており、β-cateninがこの経路において重要な役割を果たすことが知られている。子宮内膜症の線維化との関係も報告されている。今回、CREB-binding protein (CBP) / β-catenin結合阻害剤であるICG-001とC-82を用いて子宮内膜症の線維化に対する治療薬への応用の可能性を検討した。 卵巣子宮内膜症性嚢胞間質細胞(ECSC)および子宮内膜間質細胞(NESC)を培養した。ICG-001とC-82を投与し、コラーゲンゲル3次元培養法、scratch assay、MTT assay・BrdU assay・Caspase 3/7 assay・Cell death detection ELISAにより、それぞれの薬剤の瘢痕化抑制効果、細胞遊走能抑制効果、細胞増殖抑制効果、アポトーシス誘導効果を評価した。 ICG-001、C-82ともにコントロールと比較してコラーゲンゲル収縮を有意に抑制した。また、細胞遊走能を抑制し、細胞増殖を抑制し、アポトーシスは誘導された。ICG-001は子宮内膜症モデルマウスにおいて子宮内膜症病変の縮小効果を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文発表が終了した。新規化合物を用いた研究を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ICG-001とC-82は肝硬変治療薬などでの線維化改善効果があきらかになっており、臨床応用に向けて研究がすすんでいる。ICG-001、C-82ともに子宮内膜症においても線維化の改善が期待できる新規薬剤である。今後、新規薬剤も検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染予防の影響により研究が滞っているため次年度使用が生じた。未使用額は今後、western blotや免疫染色の試薬、PCRキットなどに充てる予定である。
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