2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16777
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
溝口 美佳 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80647561)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産科学 / 早産 / ケモカイン / 切迫早産 / 前期破水 / プロゲステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はケモカインネットワークに着目し、早産におけるケモカインシステムの関連を解明しようとしている。 まず最初にLPS腹腔内投与によるマウス早産モデルを確立した。早産モデルを用いてCX3CR1欠損マウスと野生型マウスで早産率を比較するとCX3CR1欠損マウスで有意に早産率が低くなることが分かった。そのメカニズムを解明するため、羊水や胎盤などの妊娠組織を解析したところ、CX3CR1欠損マウスで子宮へのマクロファージの遊走が抑制されており、炎症性サイトカインの産生も抑制されていた。また早産妊婦の血清中ではCX3CL1が有意に上昇しており、その結果を踏まえ、野生型マウスに抗CX3CL1抗体を投与すると早産が抑制されることも分った。 現在、所有している他のケモカイン・ケモカインレセプター欠損マウスを用いて、野生型との早産率の比較を行っており、早産への関与の可能性があるケモカイン及びケモカインレセプターが同定されれば、Real time(RT)-PCR法、免疫組織学染色、ELISA法及びフローサイトメトリー法を用いて解析する予定である。 また切迫早産患者に羊水穿刺を行い、羊水サンプルを採取し、細菌培養・羊水中のサイトカイン及びケモカインの測定・免疫細胞の解析を行い、妊娠継続できる症例と早産に至る症例の違いを検討するため、倫理委員会への申請を予定している。 さらにプロゲステロンが早産予防に働く機序にケモカインシステムが関与しているかを解明するため、早産予防目的でプロゲステロンを投与している症例と早産症例を比較検討する解析も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他のケモカイン・サイトカインレセプター欠損マウスで野生型との早産率に有意差が出ず、サンプリングできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス実験においては所有しているケモカイン・ケモカインレセプター欠損マウスで野生型との比較で早産率に差がでればサンプリングし解析を進める予定である。 また、早産予防におけるプロゲステロンの作用機序の解明に向けて、ヒトの血清や羊水、胎盤サンプルを採取するため倫理委員会への申請を進めていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延により現地での学会発表の機会が減少したため、旅費での使用が減少した。 検体解析のためのELIZAキットの購入、免疫染色抗体費用に充当する
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