2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new screening method for endometrial cancer by detecting microRNAs derived from menstrual blood
Project/Area Number |
18K16781
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西島 良美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10710733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮内膜病変 / PTEN / 免疫組織化学的検討 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腫瘍の新規バイオマーカーとして注目されているマイクロRNAに着目し、近年増加傾向にある子宮内膜癌の早期発見・早期診断に有効なバイオマーカーとしての応用可能性について検討を行ってきた。子宮内膜の発癌初期段階に関与するPTEN遺伝子を抑制する可能性が報告されているマイクロRNAのうち、miR-200a、miR-200b、miR-205、miR-182 およびmiR-183 について解析し、子宮内膜病変におけるPTEN蛋白発現とマイクロRNA発現との関連性を検討した。当初、月経血を利用して子宮内膜病変由来のマイクロRNA検出法の確立を目指したが、所属機関の異動や臨床検体の確保が困難となったことから、補助事業期間中の研究実施計画として挙げていたホルマリン固定パラフィン包埋材料を用いた子宮内膜病変の進展とマイクロRNA発現の関連性について解析を進めた。 令和2年度では、子宮内膜癌におけるPTEN蛋白発現とマイクロRNA発現の関連性について検討を進めた。前年度に決定した条件により、ホルマリン固定パラフィン包埋材料から安定してマイクロRNAの検出を行うことができた。リアルタイムPCRを用いて定量解析を行った結果、子宮内膜癌においてmiR-205発現とPTEN蛋白発現の消失に相関関係が認められた。さらに解析を行ったマイクロRNA中でmiR-205は特に、正常子宮内膜組織での発現と子宮内膜癌組織内での発現に大きな差が認められた。これにより、miR-205がPTEN蛋白発現を制御することで子宮内膜癌の進展ではなく、特に子宮内膜の発癌初期段階へ関与することが示唆された。
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