2019 Fiscal Year Research-status Report
3次元がん幹細胞培養系を用いた、卵巣がん腹膜播種促進メカニズムの解明
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18K16786
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山脇 芳 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90650622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 卵巣がん / がん幹細胞 / 腹膜播種 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに患者腹水由来卵巣がんスフェロイド細胞の追加樹立を試み、現在までにを20超える細胞の樹立に成功した。免疫不全マウスへのスフェロイド細胞の腹腔内注入による腹膜播種モデルを確立し、実験結果から高転移能をもつ細胞で高発現している分子で治療標的になりうるものとして、一群の解糖系関連酵素が同定された。本年度の成果としては、まずプラチナ抵抗性をもつ卵巣がん幹細胞の新規樹立に成功した。この細胞を含む樹立済みのスフェロイド細胞のプラチナ感受性を確認し、プラチナ感受性細胞と抵抗性細胞の2群に層別化し、RNAシーケンスによる遺伝子発現解析により、すでに同定された一群の解糖系関連酵素がプラチナ抵抗性群において発現上昇していることが明らかになった。 他施設への出向により一時休職となり、研究が中断してしまったため、翌年に計画を延長した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他施設への出向により、一時休職していたため
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Strategy for Future Research Activity |
高転移能をもつ細胞で高発現している分子で治療標的になりうるものとして、一群の解糖系関連酵素が同定されている。候補分子の阻害剤投与、CRISPR-Cas9システムによるノックアウト等を行い、in vitro,in vivoでの機能解析をすすめる。また、当初の計画であった腹水のサイトカインアレイ解析を遂行し、腹水中の腹膜播種促進因子も並行して同定を試みる。同定された分子の臨床的な意義を検討するため、臨床組織スライドを用いて候補分子の免疫組織染色を行い、カプランマイヤー法による予後解析を行う。以上の結果をまとめ、学会発表、国際科学誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
他施設への出向のため、一時休職となったため。次年度使用額は主に計画している実験遂行のための試薬代、器具代にあてる予定である。また、一部をプリント代、学会参加費、論文投稿費用、校正費用などに使用する。
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