2018 Fiscal Year Research-status Report
SNP解析に基づいた感染性流産に関わる宿主因子の解析
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18K16788
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Research Institution | Osama Woman's and Children's Hospital |
Principal Investigator |
吉村 芳修 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 免疫部門, 研究員 (90771197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 流産 / SNP解析 / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠初期の流産は主要な周産期合併症の一つであり、その制御は少子化が進む現代において重要な課題である。原因不明とされていた流産の原因の一部には感染症の関連が疑われており、ウレアプラズマなど低病原性菌であるとされていた細菌が流早産に関連することを研究協力者である大阪母子医療センター研究所免疫部門の柳原らが明らかにしてきた。しかし、一方でこのような流産の起因となる病原体に対する宿主の免疫機構等については、まだ十分に理解されていない。そこで、本研究では感染症の関与が疑われたが、原因が不明であった流産の患者を対象にSNP解析を行い正常妊婦と比較した。その結果、免疫関連のタンパクを中心に流産に関連している可能性のある原因遺伝子変異の候補を抽出した。実際に候補に挙がった遺伝子変異によるアミノ酸の変異がそのタンパクの活性に影響を与えるかをタンパク分子レベルで確認し、流産への影響について検討することを主な目的とし研究を行っている。第一の候補とした蛋白について、昆虫細胞及びバキュロウイルスベクターによる発現系を用いて、野生型と変異型のリコンビナント蛋白を発現、精製を行い活性の比較している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一の候補蛋白のリコンビナント蛋白を発現精製した。大腸菌を用いたリコンビナント蛋白ではインクルージョンボディを形成し、可溶化、巻き戻し処理を行ったが、蛋白の生理活性を確認できなかった。そのため、昆虫細胞及びバキュロウイルスによる発現系を用いてリコンビナント蛋白を発現、精製し生理活性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
詳細な活性の比較を行うためにより大量の蛋白の精製と精製システムの最適化が必要である。蛋白の大量精製のために精製系のスケールアップを行う。培養系のスケールアップのため新たにスピナーフラスコを追加し、一度に培養できる容量を増量する。精製過程においても、精製蛋白のコンタミネーションを避けるため野生型蛋白と変異型蛋白を個別のカラムで精製し、さらに複数の精製カラムを追加し、より純度の高い蛋白を得ることを目指す。精製した蛋白を用いて詳細な生理活性の比較評価を行う。
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Causes of Carryover |
本年度に蛋白精製と活性の確認を行い、以降のスケールアップ及び最適化を行うために次年度使用額が生じた。蛋白精製の最適化のための物品(スピナーフラスコ、精製カラム等)、培地の購入に充てる。
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