2021 Fiscal Year Research-status Report
性差を考慮した女性特有のサルコペニアの発症メカニズムの解明と治療応用
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18K16804
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北島 百合子 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40380901)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体β / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エストロゲン欠乏に伴う女性特有の筋萎縮に関してエストロゲン受容体βの作用に着目し、そのメカニズムを解明することを目的とした。ERβ- floxed マウスとドキシサイクリン依存的かつ筋線維特異的にCreリコンビナーゼを発現制御できるHSA-rtTA/TRE-Creマウスの交配によって骨格筋特異的ERβ欠損 マウス(mKO群)を作出した。このERβ-floxedマウスをコントロール群(CON群)とし両群を比較した。我々は、これまでに6週令の若年期に筋線維特異的にERβを ノックアウトを誘導し、CON群と比較してきた。CON群と比較してmKO群は雌のみ顕著な筋力低下を示した。筋重量は、雌マウス のTAで有意な筋重量低下がみられた。TAを採取しLamininによる筋横断面の免疫組織化学染色を行ったところ、mKO群において筋横断面積の顕著な低下がみられた。若齢期にみられたERβ欠損マウスの筋力低下や速筋特異的な筋重量低下は、性成熟したマウスではみられず、ERβは若齢期における筋力および速筋重量の維持に重要であることが示唆された。さらに、骨格筋におけるERβが糖代謝に影響するかを検討するため、6週令にERβをノックアウトしたmKO群とCON群に高脂肪食を与え糖負荷試験を行ったが、mKO群とCON群の両群に有意差は認めなかった。現在、生後すぐにERβをノックアウトした場合の糖代謝の影響を見たが、両群に有意差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、エストロゲン欠乏に伴う女性特有の筋萎縮に関してエストロゲン受容体βの作用に着目し、そのメカニズムを解明することを目的としているため、ERβ-floxed マウスとドキシサイクリン依存的かつ筋線維特異的にCreリコンビナーゼを発現制御できるHSA-rtTA/TRE-Creマウスの交配によって骨格筋特 異的ERβ欠損マウス(mKO群)を作出する必要があった。マウス作製は順調に行われていたが、6週令における骨格筋特異的ERβ欠損マウスを用いて糖負荷試験を 行ったところ、更に若い週数での検討が必要だと考えられた。昨年は生後すぐに骨格筋特異的にERβを欠損させたマウスを作成し検討を行ったが、有意差を認めなかった。今後、他の評価項目の含め検討することとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに6週令における骨格筋特異的ERβ欠損マウス(mKO群)を用いて糖負荷試験を行ったところ、mKO群とCON群には有意差を認めなかった。更に若い週数での検討を行うと新しい知見が得られると考え、生後すぐにおけるエストロゲン受容体βの糖代謝に与える影響を検討した。しかし、有意差は認めなかった。 今後は他の評価方法が無いか検討する。さらに研究結果を報告していくこととする。
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Causes of Carryover |
昨年行った研究結果では有意な差は認めなかった。本年度は、今回の結果を他の評価項目で検討できないかを昨年度に検討する予定であったが、マウスの作製が遅れたため実験が進行しなかった。そのため、次年度使用額が生じた。本年度は更にこれまでの研究結果を論文にして発表することとする。 論文投稿に必要な費用に使用する予定である。
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