2018 Fiscal Year Research-status Report
Other routes of HTLV-1 mother-to-child transmission except for breast feeding
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18K16805
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
淵 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20727359)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HTLV-1母子感染 / 経胎盤感染 / 経産道感染 / HTLV-1キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
母乳以外のHTLV-1母子感染経路(経胎盤感染、産道感染など)の実態解明を目指し、平成30年度は以下の研究を行った。①検体集積状況:HTLV-1スクリーニングで陽性であった妊婦末梢血66例、胎盤60例、臍帯血59例を集積した。そのうち、最終的にHTLV-1キャリアと診断された妊婦は48例であった。②HTLV-1プロウイルス量の測定と周産期背景の調査:⑤の経胎盤感染の分子機構の解明に伴う実験に時間を要し、集積した末梢血、胎盤、臍帯血のプロウイルス量の測定は一部しか行うことができなかった。周産期背景の集積状況は、HTLV-1キャリア妊婦48例のうち、47例について回収した。選択した栄養方法については、人工栄養37例、短期母乳栄養9例、長期母乳栄養1例であった。分娩様式については経腟分娩が41例(うち短期母乳7例、長期母乳1例、人工栄養33例)、帝王切開が6例(うち短期母乳2例、人工栄養4例)であった。③、④経胎盤感染および産道感染の可能性に関する検証:母子感染の追跡調査(平成30年度受診分)では、3/38例(7.8%)の児において抗体陽転化を認めた。追跡調査数が少なく感染経路の可能性の検証はできなかった。⑤経胎盤感染の分子機構の解明:in vitroの実験では、HTLV-1感染細胞株と胎盤細胞(Bewo細胞、血管内皮細胞、間葉系細胞)との共培養を行うもレシピエント細胞におけるHTLV-1感染成立の証明が困難であった。そこで、ex vivoの予備実験としてキャリア妊婦の胎盤において、in situ hybridizationの手法を用いて胎盤内においてHTLV-1の局所感染が起こっているか検討した。胎盤中や臍帯血中のHTLV-1プロウイルスが陽性であった検体において、胎盤内でHTLV-1陽性細胞が同定された。HTLV-1の胎盤感染の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標症例数80例に対して約1/2の48例の検体集積を行った。胎盤内や臍帯血で陽性となる例は少ないことが想定されているので、胎盤感染や産道感染の可能性を検証するには、さらなる検体の集積が必要である。また、母子感染追跡調査の進捗が悪く、想定通り結果が集積されていない状況である。さらに、in vitroの実験系が想定通りに進捗せず、ex vivoの実験系に切り替えた。左記理由のため、検体集積したHTLV-1プロウイルス量の測定ができなかった。次年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行するには多くの検体集積およびデータが必要である。平成30年度より前の検体についても調査を行うことで、母乳以外の母子感染の可能性を検証する。もれなく母子感染の追跡調査が行われるように、システム変更を検討する。ex vivoの実験系としてin situ hybridizationを行ったところ、胎盤内における可能性が示唆された。前向きに凍結胎盤を集積して追加実験を行うことで、胎盤感染の分子機構の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
理由)本年度は検体集積が目標数の1/2であった点とin vitroの実験に時間を要したため、プロウイルス量の測定ができなかった。集積された検体について次年度に順次プロウイルス量の測定を行うため、計上していたPCRにかかる試薬については次年度使用する予定である。 使用計画)本年度解析できなかった血液、臍帯血、胎盤のプロウイルス量の測定、および胎盤感染の可能性が示唆されたin situ hybridizationの追加実験を行う予定であり、申請した額は予定通り使用される。
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