2018 Fiscal Year Research-status Report
反復性膣カンジダ症に対する新たな治療戦略の可能性の検討
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18K16815
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
羽山 和美 帝京大学, 付置研究所, 助手 (50548352)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Candida albicans |
Outline of Annual Research Achievements |
再発性膣カンジダ症の新たな予防および治療法を検討するため、本研究では病原性に寄与しているCandida albicansの菌糸形発育と、感染に伴う炎症反応の抑制効果を示す天然物質の探索を行った。 まずC. albicans感染が粘膜細胞へ障害を与えることを確認するため、in vitroにてものレイヤーとなるよう発育させたヒト結腸ガンDLD-1細胞株に、C. albicansを添加して菌糸形発育させ、4時間および23時間後のDLD-1細胞の生死をトリパンブルー染色により、また細胞障害を乳酸脱水素酵素(LDH)を測定することにより判定した。結果、DLD-1細胞はC. albicans数に依存して死細胞が増加しているように観察された。また濃度依存的ではないものの、C. albicansの添加から23時間後のDLD-1細胞が障害を受けていることが分かった。 次にin vitroにてC. albicansの菌糸形発育を抑制する天然物質の探索をクリスタルバイオレット染色法にて行い、数種類の発育抑制活性を示す天然物質を見いだした。またその中の一種の天然物質をC. albicansとともにDLD-1細胞に添加したところ、C. albicansによるDLD-1の細胞死を抑制することが分かった。この天然物質に関しては、今後も検討していく予定である。 また、ラクトフェリンは膣感染症に侵された女性の膣粘膜液中で強く増加し、抗菌作用を示すほか、炎症の重要な調節因子と考えられており、治療および予防戦略の貴重なツールとなりうると考えられている。しかしながらラクトフェリンの抗C. albicans活性はあまり強くないことから、これらラクトフェリンの持つ抗カンジダ作用を高めるような条件検討もしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究棟改装工事のため
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Strategy for Future Research Activity |
今後もDLD-1細胞の細胞障害を抑制し、C. albicansに対して菌糸形発育抑制効果を示す物質の探索を行うとともに、両者の効果が見られた天然物質を追試、検討していく予定である。また、治療および予防戦略の貴重なツールとなりうると考えられるラクトフェリンが、より効果的にC. albicansの菌糸形発育抑制効果を示す条件を検討予定である。これら天然物質のin vivoでの検討のため、マウス試験に対する準備も行っていく。
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