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2022 Fiscal Year Research-status Report

Examination of the possibility of new treatment strategies for recurrent vaginal candidiasis

Research Project

Project/Area Number 18K16815
Research InstitutionTeikyo Junior College

Principal Investigator

羽山 和美  帝京短期大学, 帝京短期大学, 講師 (50548352)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords低分子化ポリフェノール / 表皮ブドウ球菌 / ジアセチル
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、反復性膣カンジダ症に対して抗真菌剤とは異なる手段でこの問題を改善することを意図した。2020年迄の研究では、膣カンジダ症の原因菌の一つであるC. albicansの病原性として知られる菌糸形発育を抑制する天然物質の探索を行った。その結果、有望な物質として市販乳酸菌加熱死菌体を見出し、2021年度は、これら乳酸菌の膣カンジダ症マウスモデルに対する効果を検討した。乳酸菌加熱死菌体の感染前膣内投与により、感染4日後の顕微鏡像では菌糸形C. albicansの発育の抑制が観察されたものの、生菌数の有意な低下は認められず、課題が残った。本年度はさらなる検討を予定していたが、検討が困難となった。そこで、これら乳酸菌加熱死菌体の機能を補強するような物質、例えば膣感染による悪臭防御効果や、混合感染を起こす微生物の抗菌作用を示す物質の検討を行うこととした。
膣カンジダ症の混合感染として近年注目されている好気性膣炎患者からは、表皮および黄色ブドウ球菌などが検出されている。既にC. albicansとこれら菌の相互作用については報告があり、膣カンジダ症病態を悪化させ、反復性膣カンジダ症へと移行する過程に関与している可能性も否定できない。また乳酸を代謝し、悪臭物質であるジアセチルを産生することも報告されている。
そこで、本研究ではこれらに有効性を示す物質として、以前より研究を行っていた低分子化ポリフェノールに着目し、表皮ブドウ球菌に対する発育と、発育に伴う悪臭発生に対する抑制効果について検討した。結果、0.012%以上の濃度の低分子化ポリフェノール添加固形培地でS. epidermidisの発育は抑制されること、0.006%濃度では、コロニー径のわずかな縮小がみられ、官能評価では非添加培地とくらべてS. epidermidisの増殖に伴う臭気がわずかに抑制されることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前所属機関の都合により退職することとなり、当初予定していたin vivoでの乳酸菌加熱死菌体の膣カンジダ症への効果検討を行うことが出来なくなった。また再就職先の科研費の移行準備、本研究の継続研究機関の準備などに時間がかかり、研究費を使用しての試薬注文なども滞った。現職の短期大学では、本研究を行う上での十分な実験設備がないため、前所属の医真菌研究センターの非常勤講師としての地位で、同センターで研究を続けることとなった。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究では、膣カンジダ症マウスモデルで有効性を示す可能性が見いだされた乳酸菌加熱死菌体の機能性を強化する物質として、低分子化ポリフェノールに着目した。膣カンジダ症との混合感染が注目されている好気性膣炎 (AV)に関係する表皮ブドウ球菌に対する低分子化ポリフェノールの発育抑制と、膣の悪臭の軽減をin vitroで検討した。
結果、0.012%以上の濃度の低分子化ポリフェノール添加固形培地で、表皮ブドウ球菌の発育は抑制され、0.006%濃度ではコロニー径の縮小と、表皮ブドウ球菌の増殖に伴う臭気のわずかな抑制が見いだされた。臭気物質としては、表皮ブドウ球菌からの産生が確認されているジアセチルが可能性として考えられるため、引き続き臭気物質の検討を行っていきたい。また、表皮あるいは黄色ブドウ球菌が、膣カンジダ症を悪化させ反復性膣カンジダ症に移行するか否かは検討する価値があるだろう。そのプレリミナリーな実験として、C. albicansおよび表皮ブドウ球菌の混合培養による粘膜細胞への影響や、それらに対する乳酸菌加熱死菌体および低分子化ポリフェノールの併用による効果についても今後検討していきたいと考えている。

Causes of Carryover

前所属機関の都合により退職することとなり、当初予定していたin vivoでの乳酸菌加熱死菌体の膣カンジダ症への効果検討を行うことが出来なくなった。また再就職先の科研費の事務的手続き移行準備、継続研究機関の準備などに時間がかかり、研究費を使用しての試薬注文なども滞った。
そのような中で、本年度の研究では膣カンジダ症との混合感染が注目されている好気性膣炎患者から検出される表皮ブドウ球菌に対して、低分子化ポリフェノールが抗菌活性を示し、また悪臭防御効果の可能性があることを見出した。
臭気物質としては、表皮ブドウ球菌の産生が確認されているジアセチルが考えられるため、引き続き臭気物質の検討を行っていきたい。また、表皮あるいは黄色ブドウ球菌が、膣カンジダ症を悪化させ反復性膣カンジダ症に移行する可能性も否定できないため、そのプレリミナリーな実験として、C. albicansおよび表皮ブドウ球菌の混合培養による粘膜細胞への影響や、それらに対する乳酸菌加熱死菌体および低分子化ポリフェノールの併用による効果についても今後検討していきたいと考えている。これらの研究費を次年度に利用したいと考えている。

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Published: 2024-12-25  

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