2018 Fiscal Year Research-status Report
新しいヒト胎盤モデルを用いた妊娠高血圧症候群の分子生物学的な解明
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18K16816
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小島 淳哉 東京医科大学, 医学部, 助教 (70617539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胎盤 / 妊娠高血圧症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群は母児共に予後不良の転機を起こしうる重篤な疾患で初期胎盤形成及び機能不全が疾患発生の発端と考えられている。これまで従来の実験モデル、ヒトにおいては倫理的な面からも着床期から胎盤形成を対象に研究を進めるのは不可能で本疾患の解明は困難であった。本研究では疾患胎盤よりターゲット遺伝子を定め、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から胎盤を構成する絨毛細胞(トロホブラスト)へと分化させた系を用いて、同遺伝子のトロホブラストへの分化過程における機能を解析する研究である。2018年~2019年にかけては妊娠高血圧症候群患者胎盤の網羅的解析を目的としている。本研究は東京医科大学病院倫理委員会にて承認を経て開始されている。採取した胎盤より切片を作成、レーザーマイクロダイゼクションを用いて、CT、ST、EVTよりRNAを抽出、cDNAライブラリーを合成しRNA-sequenceを用いて健常者のコントロール群と比較し網羅的解析を行う。この網羅的解析においては、クラスター解析などを行う事により妊娠高血圧症候群のCT、ST、EVTにおける新規遺伝子も含めてターゲット遺伝子を絞り込んでいく。報告者は既にヒト胎盤モデルにおけるCT、ST、EVTの特徴的な分子網を特定しておりその解析データはクラスター解析に応用できる。 本年度は疾患胎盤、健常者の胎盤の採集を中心に行っているが妊娠高血圧症候群の症例自体が少なくまた妊娠高血圧症候群であっても妊娠糖尿病であったり元々内分泌疾患などの母体合併症を持っているケースが多くてなかなか疾患胎盤が採取できないのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
疾患検体の採集が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
検体採集については引き続き行う。 一方で検体採集が困難であった場合は報告者の構築したiPS細胞を絨毛細胞系に分化させた群の中とデータベースにある妊娠高血圧症候群に関与すると言われている遺伝子を比較することでその遺伝子の機能の解析などを行い、病態及び胎盤形成のメカニズムにアプローチしていく予定である。
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Causes of Carryover |
検体採集が困難であったため計画が遅れ次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)