2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of genetic background on the brain regions associated with depression in postpartum depression models
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18K16818
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
金谷 萌子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00759805)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / マウスの産後うつ様行動 / 喰殺行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、本研究の実験対象はラットであったが、所属機関の異動に伴い実験動物をマウスに変更することになった。そのため、産後うつモデル動物の作製方法として汎用されている3つのモデル(①妊娠後期から出産直前にかけてのステロイドホルモンの急激な変化を模倣するモデル、②妊娠期に拘束ストレスに曝露するモデル、③産後に母子分離ストレスを与えるモデル)に関して、マウスでも観察可能であるかを確認した。これらのモデル動物の作製に加えて、産後うつ様行動としてマウスに多く観察される喰殺行動を示した個体もサンプリングした。産後うつ様行動発現マウスと産後うつ様行動非発現マウスにおいて、うつ様行動関連神経核である分界条床核・前頭前皮質・海馬・内側扁桃体の形態学的違いを捉えるために、当該脳領域のシナプス形態や数、神経核内の細胞数の変化を検討している。また、内側扁桃体が分界条床核・前頭前皮質・海馬全てに神経投射している唯一の神経核であるため、扁桃体に着目した神経トレーサーまたはAAV注入を行うなどして、神経回路の変化を捉える予定である。そのため、マウス脳の当該領域において、産後うつ様行動に関与する性ステロイド受容体(エストロゲン受容体・アンドロゲン受容体)発現を調べる方法を確定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新しい研究環境に異動し、実験動物の変更を余儀なくされたこともあり、当初の予定より遅れている。今後使用するであろう実験技術の確定と、モデル動物の作製に終始した。
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Strategy for Future Research Activity |
産後うつ様行動の遺伝的背景を調べるため、産後うつ様行動の発現に対して離れた計測値を示す親系統をそれぞれ見つける必要がある。マウスの系統別に妊娠マウスを購入し、喰殺行動を最も示す系統と、示さない系統を明らかにする。 実験動物をマウスに変更したことにより、ラットと比べて産後うつ様行動である喰殺行動が多く認められるため、産後うつ様モデルの作製過程を省略し、スピードアップが測れるかもしれない。
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Causes of Carryover |
異動前には必要であると考えていた備品が、異動後の研究室では購入の必要がなくなったことが大きな理由である。翌年度分に請求した助成金と合わせて、in vivo電気生理に使用する電極など、比較的高額な消耗品に充当する予定である。
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