2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of microglia during developmental period in auditory system in animals for autism
Project/Area Number |
18K16837
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野田 昌生 金沢大学, 附属病院, 医員 (50756187)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 聴覚中枢 / グリア / 自閉症 / 聴覚異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は自閉症モデルの一つであるCD38KOマウスを用いて、聴覚異常を検討するために他覚的生理検査であるABR(聴性脳幹反応)を行った。研究計画での予想と同様に、ABRの潜時延長を確認し、聴覚異常をみとめた。聴力の域値に関しては、全ての周波数で有意差を認めなかった。その病態として、ABRではとくにⅤ波での異常をみとめたため、対応する神経核である中脳の下丘に焦点をあてて、細胞の異常について免疫染色で検討している。まだサンプル数が十分でなく、統計学的な検討は行っていない。さらに神経細胞や髄鞘の詳細な形態学的検討を行うため、電顕での解析を予定している。 他自閉症モデルでも聴覚の解析を行い、同様にABRで潜時の延長という、聴覚異常を確認した。聴覚レベルに関しては有意差はなく、下丘における神経細胞数、グリア細胞の数には明らかな有意差を認めなかった。 また、難聴形成後、聴覚中枢の神経核の一つである蝸牛神経核において、ミクログリアが活性化することを発見し、解析を行った。ミクログリアが難聴後、神経保護因子を発現することで、神経を保護する方向に働くことがわかり、考察を加えて論文を執筆し、国際学会誌(Auris Nasus Larynx)にアクセプトされた。さらに同学会誌において年間の優秀論文におくられるSPIO AWARDを受賞した。同内容を国内学会、国際学会でも口頭発表し、建設的な意見を専門家と議論した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した正常モデルだけでなく、自閉症モデルを用いた聴覚異常の解析を行なっている。 当初予定していたCD38KOモデルだけでなく、その他の自閉症モデル を用いた検討もおこなっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定通り、自閉症モデルを用いて、聴覚異常、聴覚伝導の遅延を明らかにした。その病態として、聴覚中枢の解析を形態学的、生化学的に行う予定である。
|
Causes of Carryover |
材料購入費が予定していたより、安価で入手できた。学会発表による旅費も、予定より安価に行うことができた。
|
Research Products
(2 results)