2018 Fiscal Year Research-status Report
早期舌扁平上皮癌における後発頸部リンパ節転移予測の新規マーカーの解析
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18K16838
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 有未 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (00646458)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 舌癌 / 予後予測マーカー / FZD7 / IL1RN |
Outline of Annual Research Achievements |
初期実験では、免疫組織染色においてFZD7、L1RNの発現が強いと、無再発生存率が低下する傾向が認められていた。FZD7、IL1RNは舌癌T1、T2症例の有力な後発リンパ節転移予測マーカーとなりうると考えられたので、さらに症例数を増やして免疫病理組織学的検討を行った。 その結果、FZD7の発現が強いと有意差を持って早期舌癌での後発転移が増加することがわかった。IL1RNにおいては、高発現群では早期舌癌での後発転移が増加する傾向にあったが、有意差は認められなかった。よって、FZD7は早期舌癌の後発転移を予測するマーカーとして有用であると考えられた。 進行舌癌(T3、T4)にも症例を拡大し、FZD7、IL1RNの免疫染色を行った。これらの臨床データとの相関を統計学的に解析し、FZD7、IL1RNが早期癌の無再発生存のみならず進行癌における全生存などの予後予測マーカーとなり得るか検討した。FZD7の高発現は疾患特異的生存率、全生存率には影響しないことが分かった。一方、IL1RN高発現群においては無病再発率が有意差をもって低下していた。よって、IL1RNでは早期癌のみならず進行癌も含めて、後発転移の有無を予測するマーカーとなりうると考えられた。疾患特異的再発率、全生存率については2群間での有意差が認められなかった。 FZD7やIL1RNの原発巣での発現が、予後予測マーカーとなりうることが示された。臨床において再発のリスクが高いと判断されれば治療方針の決定に役立つため、これらのマーカーの測定は臨床応用が可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、舌癌T1,T2症例において、症例数を増やしてFZD7,IL1RNの発現を免疫病理組織学的に検討した。また、T3,T4にも対象症例を拡大し、FZD7,IL1RNの発現が無病生存率のみならず、全生存率、疾患特異的生存率に関連しているかを検討した。平成30年度に予定していた研究内容はすでに達成できており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
FZD-7の強制発現株を作成する。強制発現株はSASを用いて作成する予定であるが、SASでうまく強制発現株ができない場合はT3M-1を用いて作成する。 FZD-7強制発現株と野生株を用いてinvasion assayを行い、浸潤能が増強しているか検討する。また、FZD-7の発現をsiRNAで抑制し、浸潤能が低下するかを検討する。 SAS-FZD7において、CD44、PPARδの発現をリアルタイムPCRとウエスタンブロッティングにて解析する。 ヌードマウスを用いてSAS、SAS-FZD7のxenograftの舌癌モデルマウスを作成する。これら2種の舌癌モデルマウスにおいて、リンパ節転移発生の確率、全生存期間について解析を行う。
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Causes of Carryover |
パソコンを初年度に購入する予定であったが、試薬の購入費が不足する可能性があったため、次年度に変更した。しかし、結果として抗体購入費などが予想より低額におさまったため、次年度使用額が生じた。
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