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2019 Fiscal Year Research-status Report

早期舌扁平上皮癌における後発頸部リンパ節転移予測の新規マーカーの解析

Research Project

Project/Area Number 18K16838
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

伊藤 有未  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (00646458)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordstongue cancer / FZD7 / IL1RN
Outline of Annual Research Achievements

舌癌の転移におけるFZD7の機能を解析するための実験を行った。まず、舌癌細胞株SASを用いて、FZD7の強制発現株を作成し、強制発現株の浸潤能をinvasion アッセイによる検証を行う実験を進めた。舌癌細胞株SASにおいてFZD7をリポフェクションで強制発現させることを試みたが、ウェスタンブロットにおいてFZD7が十分高発現していることが確認できなかった。よって強制発現株を用いたFZD7の機能解析を中断した。
そこで、siRNAを用いてFZD7を抑制すると癌細胞の浸潤能が変化するかをinvasionアッセイにて検証することにした。口腔癌細胞株T3M-1においてsiRNAを用いてFZD7を抑制し、FZD7の発現が抑制できていることをreal time PCRで確認した。invason assayを行うと、T3M-1野生株やnegative control 導入株と比較し、FZD7抑制株では浸潤能が有意に低下していることが示され、FZD7が癌細胞の浸潤を促進する働きを持つことが示唆された。
FZD7強制発現株の作成については細胞株をSASからT3M-1に変更して行う予定であるが、この実験と並行して、FZD7抑制株を用いた機能解析を追加して行っていく。癌細胞が転移を開始するには浸潤が必要であり、これは上皮間葉移行によって生じる。FZD7が転移に関与しているならば、FZD7抑制株においては上皮系マーカーの発現が抑制され、間葉系マーカーが上昇していることが予想される。これらのマーカーの発現をwestern blotによって解析する。
またFZD7はWntレセプター類似分子で、Wnt/β-cateninパスウェイなどを通して癌の転移に関与している可能性が示唆されている。WntがFZD7に結合するとβ-cateninが核内へ移動し、CD44やPPARδなどの遺伝子の転写を活性化して、癌の転移を促進する可能性がある。FZD7の発現を抑制することでこれらの遺伝子発現が抑制されるか、real time PCRで解析を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

舌癌細胞株SASにおいてFZD7強制発現株を作成し、それを用いてFZD7の浸潤能の変化やFZD7の下流のシグナルを確認する予定であった。しかしながらFZD7強制発現株の作成が成功しなかったため、実験の予定を変更する必要があった。
FZD7の発現抑制による機能解析の実験は予定通り行うことができている。全体として当初の予定よりやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

FZD7強制発現株の作成については細胞株をSASからT3M-1に変更して行う予定である。しかしながら、強制発現株の実験が順調に進まない可能性も考え、すでに成功しているFZD7発現抑制株を用いた実験を追加して、FZD7の機能解析を進めていく。
癌が転移を開始するには浸潤が必要であり、これは上皮間葉移行によって生じる。FZD7が転移に関与しているならば、FZD7抑制株においては上皮系マーカーの発現が抑制され、間葉系マーカーが上昇しているはずである。よってこれらのマーカーの発現をwestern blotによって解析する。
またFZD7はWntレセプター類似分子で、多様な癌細胞で発現が上昇しており、Wnt/β-cateninパスウェイなどを通して癌の転移に関与している可能性がin vitroで示唆されている。WntがFZD7に結合するとβ-cateninが核内へ移動し、CD44やPPARδなどの遺伝子の転写を活性化する。CD44は頭頸部癌幹細胞に発現しており、癌の浸潤や転移に関わると報告されている。PPARδは他癌種の細胞株において強発現させると遊走能が上昇し、乳癌マウスモデルにおいては肺転移を引き起こしたという報告がある。FZD7の発現を抑制することでこれらの遺伝子発現が抑制されるか、real time PCRで解析を行う。

Causes of Carryover

FZD7強制発現株を作成する予定だったが、株の樹立に成功しなかったため研究予定が遅延するとともに、使用する予定だった予算が残った。次年度はFZD強制発現株の樹立に再挑戦するために次年度使用額を使用する。また、FZD7強制発現株が樹立できない可能性も考え、FZD7の発現を抑制した株を用いて、FZD7の機能を解析する方針であり、この実験を行うために次年度使用額を使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 早期扁平上皮癌の予後予測因子としてのFZD7の解析2019

    • Author(s)
      伊藤 有未
    • Organizer
      日本頭頸部癌学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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