2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16863
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中村 有加里 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80769117)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Rostral migratory stream / 神経芽細胞 / IGF-1 / 透明化 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳室下層から嗅球へ移行する神経芽細胞の動態を、免疫染色および蛍光染色を用いて評価した。まず、神経芽細胞の移行するルートである、Rostral Migratory Stream(RMS:吻側移動経路)の描出を免疫染色で行い、更に24時間以内に新生した神経芽細胞の描出を蛍光染色で行い、両者を組み合わせる事でRMS内を移行する新生神経芽細胞を確認した。新生神経芽細胞は脳室下層に最も多く確認されており、嗅球に向かいRMS内に点在していることが確認された。 また、成長促進因子のひとつであるIGF-1(Inslin-like growth factor-1)を投与することにより、新生神経芽細胞の嗅球への移行が促進される可能性が示唆された。 現在、このIGF-1の投与を行う事により、非投与群、投与群の新生神経芽細胞の出現程度の差や、脳室下層から嗅球への細胞発現場所の比較を行う事で、神経芽細胞が嗅球へ移行しているのが促進しているかどうかを確認し、神経新生の促進因子となりうる可能性について検討を行っている。 この動態を全体的に、また立体的に評価するため全脳の透明化を試みているが、これまでに報告されている脳透明化を行った。今後この透明化と先に述べた染色を組み合わせる事で、移行動態の明視化を予定する。更に、先ほどのIGF-1投与、非投与との差を確認するだけでなく、嗅覚障害の有無によっても差が出るものか、立体的に確認を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳透明化の際に、RMSおよびその中を移行する神経芽細胞の描出に最も最適な染色に用いる抗体の決定が遅れた事によるものである。脳全体から目的の細胞のみだけでなく、その他の細胞が染色され評価できないなどの問題点があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は全脳透明化と染色を組み合わせることにより、RMSおよび新生神経芽細胞の立体的な描出を行う。その上で、嗅覚障害が再生していく過程での神経芽細胞の動態を明らかとし、その細胞新生の促進因子となる物質についても検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初、初年度に購入を予定していた立体顕微鏡の購入を見送ったため。 翌年度は透明化に必要な、また染色に必要となる薬品の購入、論文作成の必要経費としての計画を予定している。
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Research Products
(6 results)