2018 Fiscal Year Research-status Report
ペンドリン変異に対する機能解析に基づいた遺伝子型表現型相関の解明と薬剤開発
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18K16869
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
和佐野 浩一郎 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部, 室長 (40528866)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子バリアント / 機能解析 / スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
ペンドリンをコードする遺伝子(SLC26A4)において、実際に難聴患者より同定されたバリアントがどのように転写・翻訳およびイオン輸送機能へ影響を及ぼすかについての検討を行っている。平成30年度はおもにバリアントが転写・翻訳へ及ぼす影響を、pET01ベクターを用いてスプライシングに注目して検討を行った。具体的にはエクソン2からエクソン18までの野生型エクソンとその前後のイントロンを含むベクターおよび難聴患者より同定された33種のバリアントを導入したエクソンとその前後のイントロンを含むベクターを作成し、野生型エクソンを導入したヒト由来培養細胞(HEK293T細胞)において発現するmRNAとバリアントを含むベクターを導入した培養細胞において発現するmRNAを抽出し、DNAへの逆転写およびPCRにて増幅を行い、その長さを比較するとともに産物のシーケンスを読むことで実際の転写産物を解析している。一般的にはスプライシングに関与しないと予測されるようなミスセンスバリアントのなかにも、エクソンのスキップや明らかな異常スプライシング産物が観察されるバリアントを認め、予測ソフトに頼るのではなく実際に細胞を用いて検討を行うことの重要性を示すことができた。 成果に関しては、日本人類遺伝学会第63回大会、第28回日本耳科学会学術講演会、第63回日本聴覚医学会学術講演会、ARO 42nd annual Midwinter meetingで関連する発表を行うとともに、他の研究者と活発な議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の最大の目的である遺伝子型表現型相関を見るためには、スプライシングに関する検討が必須であることから、平成30年度はその検討を重点的に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子型情報および難聴の重症度、進行度および甲状腺に関する表現型を収集し、相関の解明を進めるとともに、薬剤スクリーニング系を立ち上げる。
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Causes of Carryover |
インジェクターなどの物品購入を次年度に回したため。
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Research Products
(7 results)