2018 Fiscal Year Research-status Report
「window」に注目した上半規管裂隙症候群の病態・治療に関わる基礎的検討
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18K16872
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 怜吉 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30645742)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 上半規管裂隙症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はモルモット並びにマウスを用いてthird windowモデルを作成することを目的とした。 ドリルを用いて、上半規管・後半規管・外側半規管に対して骨迷路の開放を行い、検討を行った。骨欠損の大きさ、膨大部からの距離の条件設定を行い、骨欠損作成直後、1日後、1週間後、4週間後、3か月後について検討することにした。評価項目としては、電気生理学検査として、ABR、DPOAE、CAP、CM並びにdouble barrel電極にてEP、K+、Ca2+の検討を行うこととした。また、組織学的検討として内耳有毛細胞カウント、並びに内耳形態変化の検討を行こととした。 モルモットにおいては、外側半規管への到達は比較的容易であったが、マウスについては技術的な困難さから現在、十分な安定性をもってモデル動物を作成することは出来ていないため、今後の十分な検討が必要である。 また、臨床的に上半規管裂隙症候群と耳管開放症の合併例という稀な疾患を経験した。両者はともに自声強聴を呈する、臥位などの体位変化で症状が改善するという共通の症状を呈するため、しばしば鑑別が困難な場合がある。耳管の閉塞処置による症状の改善や鼓膜所見、耳管機能検査、CTによる上半規管並びに耳管の評価、VEMPによる前庭機能評価により両者を診断することができ、またそういった両疾患を合併する症例に対して手術的治療を行い、良好な治療効果を得た。このことは、今後、基礎的実験を進めていく上で貴重な経験となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モルモットについては順調な経過を示しているが、マウスについては十分な結果を得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の文献等の精査などを通じて、実験結果の安定性、確実性の向上を目指す。
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Causes of Carryover |
動物実験の遅れにより、当初の予定より使用物品が少なかったため。 次年度は動物実験の消耗品等に充てる予定である。
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