2018 Fiscal Year Research-status Report
HPV陽性中咽頭癌に対する個別化治療に向けたct-DNAモニタリングの意義
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18K16888
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀憲 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00804379)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | human papillomavirus / cell free DNA / digital PCR / liquid biopsy / oropharyngeal cancer / head and neck cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
HPVtype16陽性頭頸部癌症例の治療前の血漿、陰性例の血漿、cell lineから抽出したDNAを用いてプライマーの特異性を確認し、次にデジタルPCRにおけるannealing温度、吸光度のthreshold値を決定した。これらの条件で前向きに収集した血漿の解析を行っている。現時点で、96%の症例で治療前にHPVcfDNAが同定可能であり、治療前のHPVcfDNAはStageや病変転移領域と相関を認めた。治療前の同定率はqPCRを用いた過去の報告では50-80%程度であり、デジタルPCRを用いることでより高感度に測定できているものと考える。腫瘍組織中の1細胞あたりのHPVコピー数も血漿中のHPVcfDNAに影響する傾向も認めており引き続き検討していく。さらに、治療効果判定のPET-CTにくらべ同時期のHPVcfDNAはより正確に短期予後を反映していることも明らかになった。また、組織中にPIK3CA変異を認める症例を対象にcfDNA中の変異PIK3CAコピー数とHPVコピー数を比較したところ、HPVコピー数が高い傾向にあることも見出した。これは腫瘍組織における1細胞当たりにしめるターゲット数の違いに起因しているものと思われる。他癌腫では通常、変異DNAのコピー数をモニタリングすることになるが、よりターゲット数の多いHPVをターゲットとすることで他癌腫での報告以上に高感度のモニタリングができる可能性があると考えられる。これらの研究成果の一部を国際学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積も順調であり、高感度PCRで危惧されるコンタミネーションもおこっていない。今年度も予定を変更することなく研究計画通りに遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究計画通りに研究が進んでいる。今後症例集積を加速させるため、多施設研究も検討していく。また、治療中の経時的変化をHPVコピー数のみならず、NGSを用いた網羅的解析からも検討していきたい。
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