2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of inflammation-induced carcinogenesis in temporal bone squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
18K16895
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小宗 徳孝 九州大学, 大学病院, 助教 (80529884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 側頭骨癌 / 扁平上皮癌 / 頭頸部癌 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
A.外耳道扁平上皮癌症例における免疫組織学的解析:外耳道扁平上皮癌検体のパラフィン包埋切片を用いて免疫組織学的解析を施行した。NLRP3の発現は、ほとんどの症例で確認できた。NLRP3は、核内ではなく、細胞質にびまん性に発現していた。NLRP3の高発現と予後の相関を検討したが、NLRP3の発現は明らかな予後不良因子ではなかった。しかし、リンパ節転移症例はNLRP3が高発現している傾向が高いことを見出した。 B. 外耳道扁平上皮癌症例におけるRNAseqを用いたトランスクリプトーム解析:外耳道扁平上皮癌17症例のトランスクリプトーム解析をRNAseqを用いて施行した。これまで着目してきたNLRP3のmRNAの発現レベルは、扁平上皮癌組織で有意に亢進していた。さらに、発現上昇をみとめた遺伝子群のなかに、IL-1βも含まれていた。これらNLRP3の発現と、IL-1βの発現は正の相関を示すことも確認できた。外耳道癌において、NLRP3mRNAの発現上昇と正の相関をしめすホールマークを解析すると、Inframatory response, TNFA signaling via NFkb, KRAS signaling, Epithelial mesenchymal transitionなどの12のホールマークで有意差を認めた。さらに、我々が樹立に世界で初めて成功したヒト側頭骨扁平上皮癌細胞株においても、低栄養状態で培養すると、NLRP3 のmRNA発現が上昇することも確認できた。 これらの結果を踏まえて、NLRP3の発現上昇は、低栄養状態で発現が上昇し、リンパ節転移をきたしやすくする何らかの細胞シグナルに関与している可能性が考えられた。
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