2021 Fiscal Year Research-status Report
脳磁図を用いた片側良聴耳患者における周波数特異性の検討
Project/Area Number |
18K16901
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
関谷 健一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60737948)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | MEG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、片側良聴耳患者では健聴耳の周波数特異性が向上しているのではないか、という仮説を検証することである。一般的には聴力が両耳とも正常な場合、雑音下では左右の耳から入った音情報を統合することで、雑音下の音の聞き取り能力を向上させている。しかしながら、片側高度感音難聴患者ではそれが不可能であるため、脳の可塑性変化により健聴耳の周波数特異性を代償的に向上させることで対応しているのではないかと考えている。この為我々は脳磁計を用いて片側高度難聴の患者に対し、健聴耳のマクロレベルでの周波数特異性を他覚的に計測を予定した。 刺激音として日常生活で重要な役割を果たしている1000Hzの純音を用いて、マスキング音として1000Hz周辺の周波数帯域を広域雑音より除去することで作成した周波数帯域除去雑音を用いた。刺激音を単独、または周波数帯域除去雑音を背景音として提示した時に誘発される脳磁場を測定した。対象となる被験者は名古屋市立大学病院や近隣の耳鼻咽喉科から紹介していただいている。しかしながら、本年度もCOVID-19の影響で来所できる回数が制限されていたこと及び対象被験者での計測が感染リスク回避が困難であった為実計測が出来なかった。そのため次年度からは計測方法自体を再検討する。また、脳磁計を用いない方法についても検討を行うこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による計測施設の入所制限および計測施行時における被験者との濃厚接触を避けることが困難であり実計測が行えなかった為
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の国内の感染状況次第では延長期間内に収束せず、有効な計測数に達しない可能性も考えられるため脳波等比較的計測場所を選ばずに感染リスクも比較的低い検査での検証方法につき再検討を行い、可能な限り計測を行う
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響により実計測が困難であった事で謝金等の支出が無かったこと及び学会参加費等の支出も少額であったため、来年度は感染対策を徹底し計測数を増やし、学会参加および論文作成を予定している。また計測方法の変更に際し必要になる脳波計などを新たに購入することを検討中である。
|