2021 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害におけるRas/Erk経路の細胞生物学的・行動科学的アプローチによる研究
Project/Area Number |
18K16909
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
加藤 大星 日本医科大学, 医学部, 助教 (80787523)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 転写因子 / 内耳障害 / Erk-2 / Fras2 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢性難聴のモデルマウスや急性感音難聴のモデルとしての急性音響外傷モルモットの作成を行い、それらのモデルを用いて急性音響外傷における転写制御因子Activator protein-1(AP-1)およびHypoxia inducible factor-1 (HIF-1)などのストレス応答分子の動態の観察を生化学的および形態学的手法を用いて行っている。神経特異的Erk1/2コンデイショナルノックアウトマウス(防衛医科大学校薬理学講座佐藤泰司との共同研究)は、佐藤らが世界で初めて報告したものであり大変有用である。このマウスから作製された内耳特異的Erk1/2およびFRS2コンデイショナルノックアウトマウスの聴覚特性の解析することにより、内耳障害を引き起こす可能性のある分子ネットワークを網羅的に解析、検討することが可能となり、内耳障害の診断と治療、またその進行の独創的な予防法が明らかになると考えられる。現在、Erk2,FRS2の内耳特異的コンディショナルノックアウトマウスの作製がほぼ終了して聴覚機能の解析を開始している。本内耳特異的本コンディショナルノックアウトマウスは形態学的な異常は特にないことを確認した。また、今回作製したマウスにおいて、内耳組織に特異的にErk2が発現していないことが確認された。ABR(Auditory Brrainstem Response)による聴覚機能検査を現在行っている(慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科藤岡正人との共同研究)。内耳特異的Erk1/2, FRS2コンデイショナルノックアウトマウスの聴覚特性の解析することにより、内耳障害を引き起こす可能性のある分子ネットワークを網羅的に解析することを目的としている。現在、内耳特異的Erk2,FRS2コンディショナルノックアウトマウスの作製が完了し、形態学的解析および聴覚機能の解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、内耳特異的Erk2コンディショナルノックアウトマウスの作製が完了し、形態学的解析および聴覚機能の解析に入る段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
過去の膨大な耳鳴研究から、耳鳴は内耳・中耳・外耳など末梢の障害により中枢が可塑的変化を受けることで発生すると広く認識されている。Erk1/2ノックアウトマウスに強大音曝露などを行い、各種聴覚検査(脳幹聴性反応, 以下ABR、歪成分耳音響放射, 以下DPOAE)にて聴覚機能障害を検討する。
|
Causes of Carryover |
FRS2ノックアウトマウスの聴覚機能、強大音曝露への脆弱性の検討を精力的に行う。
|