2019 Fiscal Year Research-status Report
ポリープ状脈絡膜血管症患者の遺伝子解析を用いた治療選択
Project/Area Number |
18K16921
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
菊島 渉 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60791423)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ポリープ状脈絡膜血管症 / 光線力学的療法 / 加齢黄斑変性感受性遺伝子 / アフリベルセプト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に則り、当科を受診した未治療のポリープ状脈絡膜血管症(PCV)症例の蓄積を継続中である。初回治療によりアフリベルセプト硝子体注射単独群と光線力学的療法併用群に分け、全例において遺伝子解析を施行している。両群20例ずつを目標に短期治療成績をまとめる方針であるが、未だ目標症例数に達しておらず、さらなる症例の蓄積が必要な状況である。一方で、当該年度における研究実績として、未治療PCVに対する抗血管新生薬(抗VEGF薬)併用光線力学的療法の長期成績について、原著論文「Five-year outcomes of photodynamic therapy combined with intravitreal injection of ranibizumab or aflibercept for polypoidal choroidal vasculopathy(PLoS One. 2020 Mar 11;15(3))」において報告したが、論文中の一部の症例は本研究の対象患者を含んでいる。論文において、加齢黄斑変性(AMD)感受性遺伝子の一つであるARMS2遺伝子のノンリスクアレル1つにつき、再発までの期間が平均15.5ヶ月延長することを示すとともに、PCVに対する抗VEGF薬併用光線力学的療法の長期経過が良好であることを発表した。 本研究の主目的であるアフリベルセプト硝子体注射単独群と光線力学的療法併用群の比較については、症例数がまとまった時点で短期成績として来年度中の発表を目標としているが、症例数によっては最終年度に3年成績として発表する可能性もあると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度までに両群とも20例ずつの症例蓄積を目標としていたが、目標に達していないため。最終的な発表では少なくとも1年間以上の治療経過が必要なため、新規患者の蓄積については令和3年度前半まで継続し、その時点の症例数で最終的な研究成果をまとめる方針である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該年度中に短期成績をまとめる予定であったが症例数が不足しており、20例ずつの蓄積ができた時点で、次年度中に1年成績として発表予定である。また最終報告のために新規患者の蓄積を次年度前半まで継続し、最終的な症例数を決定した上で、最終報告に向けて治療経過の記録を継続する予定である。
|
Causes of Carryover |
対象症例が目標症例数に達しておらず、AMD感受性遺伝子解析に必要な試薬等の当該年度の経費が予想よりも低くなったため。次年度にも症例の蓄積を継続するため、当該年度に使用予定であった試薬等購入のための費用が必要となる。
|
Research Products
(1 results)